マンクライフ

「安らかに眠ってください、過ちは、繰り返しませぬから」


 写真は、今春、広島平和記念公園で撮ったものです。私たちマンドリン倶楽部は、今夏、被災地への演奏旅行に赴きます。

 

ところで、先日村上春樹氏のスピーチをテレビで拝見しました時、この碑文のことを取り上げ、こういいました。「我々は、原子力による悲劇を二度と起こさないと誓ったが、今度は我々自身の手で起こしてしまった」と。

 

 私たちマンドリン倶楽部はこれまで、広島や長崎、また、ベトナムの戦争遺跡などにも行ったことがありました。そのたびに、人の残酷さや、反対に生きようとする力強さを写真などで見てまいりました。みなその時は暗くなりましたが、それをばねに演奏活動をしていた面も必ずありました。平和のトレモロを奏でようと……


しかし人は、過ちを繰り返してしまうものなのでしょうか。今回は現代日本で経験のない大地震、それに加えて原発の放射能と、被災者の方を思うといたたまれない気持ちでいっぱいです。特に今も続く放射線の問題には不安な毎日です。故にブログの更新もどうしてよいのか、とても悩みました。


ですが無力感にさいなまれているだけでは、本当に情けないだけです。自分達マンドリン倶楽部にできることは何か、まずは定期演奏会での募金を行いました。そして今夏の被災地入りは一つの大きな機会なのかもしれません。現在、いわき市、会津市以外にチャリティ演奏会ができるか企画中です。


 以前新潟の方での演奏会、チャリティとして避難中の被災者の方が招待されており、私たちの演奏を聴いていただきました。その時、「本当に楽しかった。あなたたち、頑張ってね。」と握手をされ、逆に励まされてしまったことが深く印象に残っております。と同時に、(私たちはそこまで実感ないのですが)お客様に感動を与えているのだな。と思い、被災地の方へももっと感動を届けたいという気持ちも強くわき起こりました。


 復興へ向けての努力はそれは大変なものでしょうが、今一つ何かプラスになるよう、なしたことは、決してゼロではないと信じて行動するほかないでしょう。過ちを繰り返してしまったとしても、また立ち直れるよう、もうそれ以上しないように学び、成長すること。若い私たちは特に、それを実践しなくてはならないのかと思いました。


 マンドリン倶楽部は前期終盤を迎えました。それ以降は夏合宿、演奏旅行と、北海道から沖縄まで各地を回ります。日本中暗い中、今までの演奏会でも「気分が明るくなった、ありがとう」との温かい声を頂けるたび、本当にやってて良かったなと思います。これからの演奏会もそれ以上の感動を与えられるように、部員一同、張り切って楽しく演奏できるよう研鑽します。


そして最後に、心より震災で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災者の方にお見舞い申し上げます。私たちの演奏が天に届かんことを。