■40年前の今日×西武ライオンズニュース■
1985年(昭和60年)8月2日(金)
【工藤2勝 毎回の12奪三振】
○西武5-2日本ハム●
快記録達成につきもののプレッシャーなど、自分の辞書にはありません、といわんばかり工藤のピッチングだ。
最終回、先頭の島田誠を得意のカーブで仕留め、毎回奪三振を簡単にやってのけた。
続く高代も三振で料理して、今季パ最多の12個。
180球を投げる力投で三振ショーを締めくくった。
「ホントですか。知らなかった。三振は多いなと、思ってたけど…。リードのおかげですよ」と工藤は同期の伊東を持ち上げた。
1、2回こそ制球がままならず、ピンチを作ったが「リリーフで投げているつもりでいったら」相手は三振の山を築き上げていたというわけだ。
無欲の投球を強調したレフティーも、名古屋電気高校のエースとして出場した五年前の甲子園・北陽戦では、延長11回で21三振を奪っている。
高校時代は三振奪取王だったが、プロ入り後は期待度の割には伸び悩んでいた。
今年も自主トレで左肩を痛め最悪のスタートだったが、郭の戦線離脱などもあって先発ローテーション入り。
完投で2勝目をあげて見事に穴をカバーしている。
郭のために作ったスピードガン表示がこの日始まったが、その「代役」工藤がスピード表示の数字よりも打者との対決にファンの目を引き寄せた。
これで14イニング連続奪三振を継続中。
江夏、木田ら先輩サウスポーの持つ23イニング連続に今度は挑戦だ。
(西武球場:観衆3万人)
【写真】毎回の12三振を奪って、完投勝ちした西武・工藤。180球を投げる力投だった。
昭和60年(1985年)8月3日(土)付 報知新聞より一部抜粋