2015年08月に購入した漫画・01
前回2016年07月29日に「2015年07月に購入した漫画・02」という記事をアップしてから、丁度1年。続きの「2015年08月に購入した漫画」の感想を、実際に本を購入してから実に1年11ヶ月後となる本日、ようやく完成に漕ぎ着け、アップする事が出来るに至りました。 何とかギリギリブランク期間が2年目に突入してしまう事だけは避けられたものの、それでも2年近くも前に発行された本の感想など、今更需要があるとは到底思えず、「次回はなるべく早く感想をアップしたい」と言った言葉が嘘になってしまった事に対するお詫びと共に、今回この記事を読みに来て下さった皆さんには、感謝してもし切れない気持ちで一杯である事を、最初にお伝えしておきたいと思います。何時も僕の拙いブログを読んで下さる皆さん、本当にどうも有難う。漫画感想記事の更新を長らくサボってしまった事を、どうかお許し下さい。今度こそ、これ以降の漫画感想記事をなるべく早くアップしていく様心掛け、自分自身をこれ以上追い詰めない為にも、少しでも早く現在に追い付きたいと強く思っている次第です。 さて、前月の2015年07月に購入した本が多かった事に対する反動からか、2015年08月に購入した本の冊数は新刊12冊のみと、かなり少なかったのですが、12冊全てが元々購入予定のあった本ばかりと言う訳ではなく、中には何となく衝動買いっぽい買い方をした本も何冊かありました。それが無ければ更に購入冊数は減り、もしかしたら10冊に満たなかったかも知れません。 まず2015年01月15日に1巻が発売された「ダンジョン飯」ですが、元々発売前から噂は聞いていて、発売日もチェックしており、本来ならば僕も発売日にはキッチリ購入する予定でした。ところが発行部数自体が少なかったのか、前評判が高くすぐに売り切れてしまったのか、発売日当日の夜に書店に行ったものの手に入らず、その時買い損なった事で出鼻を挫かれた様な形となって、後に増刷され書店で平積みされているのを見掛ける様になってからも、何となく手を出す気が起きなくなってしまったのです。そのまま半年が経過し、2巻が発行されたこの月、表紙に描かれたマルシルの可愛さに目を奪われ、ほぼ衝動買いの様な感じで1・2巻を纏めて買い求める事になったという訳です。 そして「完全版ホモホモ7」、これに関しては完全に当時みなもと太郎先生の「風雲児たち」を紹介していた、かどえもん@マンガ大好きさんのブログ記事に影響されての購入となります。以前から興味はあったものの、値段が高過ぎる為にずっと二の足を踏んでいたのですが、かどえもんさんの「風雲児たち」の記事を読んで、みなもと太郎先生の漫画が凄く読みたくてたまらなくなって、この月購入を決断するに至ったんですよ。 どちらも以前から目を付けていた訳だから、厳密には「衝動買い」とは言えないかも知れませんが、何故この時買ったのかと問われれば、「衝動的に」と答える以外に無い訳ですからね。他にもまだ興味はあるものの保留にしている作品は数多くあるので、これからもこういった「衝動買い的な買い物」や、正真正銘の「衝動買い」は、度々行う事になるだろうと思います。 2015年08月に購入した漫画の内訳は、少年漫画1冊・少女漫画1冊・ギャグ漫画4冊・4コマ漫画1冊・ファンタジー2冊・ホラー漫画1冊・鉄道漫画1冊・エッセイ漫画1冊であり、古本の購入及びダブり購入はありませんでした。【少年漫画】「BLEACH」 69 久保帯人 集英社 ジャンプコミックス 2015年8月9日第1刷発行 定価本体400円+税【少女漫画】「妖怪ウォッチ ~わくわく☆アンソロジー~」 もりちかこほか 原作・監修/レベルファイブ 小学館 ちゃおコミックス 2015年7月29日初版第1刷発行 定価:本体429円+税【ギャグ漫画】「完全版ホモホモ7」 みなもと太郎 復刊ドットコム 2013年4月5日4刷発行 定価本体2,600円+税「侵略!イカ娘」 20 安部真弘 秋田書店 少年チャンピオン・コミックス 平成27年8月15日初版発行 定価:本体439円+税「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 ⑧ 谷川ニコ スクウェア・エニックス ガンガンコミックスONLINE 2015年8月22日初版発行 定価:本体476円+税「私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。」 谷川ニコ スクウェア・エニックス ガンガンコミックスONLINE 2015年8月22日初版発行 定価:本体476円+税【4コマ漫画】「ウルトラ怪獣擬人化計画 ギャラクシー☆デイズ」 1 爆天童 監修/円谷プロダクション プロデュース アスキー・メディアワークス 発行 KADOKAWA 電撃コミックス 2015年7月27日初版発行 定価:本体850円(税別)【ファンタジー】「ダンジョン飯」 1 九井諒子 企画・制作 エンターブレイン 発行 KADOKAWA ビームコミックス 2015年3月6日初版5刷発行 定価:本体620円+税「ダンジョン飯」 2 九井諒子 発行 KADOKAWA ビームコミックス 2015年8月24日初版初刷発行 定価:本体620円+税【ホラー漫画】「蟲姫」 3 原作 外薗昌也 作画 里見有 発行ホーム社 発売集英社 画楽コミックス 愛蔵版コミックス 2015年8月24日第1刷発行 定価本体620円+税【鉄道漫画】「テツぼん」 13 永松潔 原作 高橋遠州 小学館 ビッグコミックススペシャル 2015年9月2日初版第1刷発行 定価:本体648円+税【エッセイ漫画】「イエス!となりの席は外国人」 あらた真琴 ぶんか社 2015年4月1日初版第一刷発行 定価:本体1000円+税「妖怪ウォッチ ~わくわく☆アンソロジー~」 もりちかこほか 原作・監修/レベルファイブ 小学館 ちゃおコミックス 2015年7月29日初版第1刷発行 定価:本体429円+税 Nintendo3DS用ゲームソフト「妖怪ウォッチ」シリーズを元ネタとした、17人の作家による20本の作品を収録したコミックアンソロジー。巻頭に掲載されたプロローグ以外は全て新規描き下ろし。幕間には「妖怪ウォッチ」に関する各作家のメッセージやコミックス情報も収録されている。 「プロローグ フミちゃん妖怪ウォッチと出会う!の巻」は「妖怪ウォッチ ~わくわく☆にゃんだふるデイズ~」1巻に掲載された第1話を再録したもりちかこの作品。雑貨屋でジバニャン・ウィスパーと出会い、友だちになったフミちゃん。 「取りつかれるとかマヂウケる~!の巻」はもりちかこの描き下ろし作品。ゲーセンでこんがらギャルに取りつかれ、ギャル化してしまったケータ・クマ・カンチ・フミちゃん。 「人見知り妖怪をさがせ!の巻」はもりちかこの描き下ろし作品。口だけおんなをガイドに、人見知り妖怪探索ツアーに出かけ、出会えることが少ない人見知り妖怪を次々ともだちにしていくフミちゃん。 「ケータくん主人公編 モテマクりたいのに、モテヌス…の巻」はもりちかこの描き下ろし作品。モテたいが為に、モテマクールとカンちがいしてモテヌスとともだちになり、フミちゃんに嫌われてしまったケータ。 幕間にもりちかこの描き下ろし4コマ漫画「ジャマしたい」と「message…」を収録。 「妖怪ウォッチ プリンウォーズ」は久世みずきの描き下ろし作品。コマさんとケンカしてでていってしまったコマじろうをさがす為、うんがい三面鏡の中に入って過去の世界へ。 幕間に久世みずきの「message…」と「久世みずきのコミックス情報」を収録。 「妖怪ラーメンパニックにゃん!」はきんこうじたまの描き下ろし作品。ウィスパーを初め、様々な妖怪達がラーメン屋を経営したらどうなるかを描いた4コマ漫画。良い結果となるケースは余り無い模様。 幕間にきんこうじたまの「message…」を収録。 「おたんじょうび☆パニック」はなぎり京の描き下ろし作品。ケータの誕生パーティーを見て羨ましがるコマじろうをよろこばせてあげようと、コマじろうの誕生パーティーを開こうとして失敗するコマさん。 幕間になぎり京の「message…」と「なぎり京のコミックス情報」を収録。 「ウィスパーウォッチ ~主役交代!?~」は宮崎ゆいの描き下ろし作品。主役として活躍しようとするも、失敗ばかりしていて役に立たないウィスパーの姿を描いた4コマ漫画。 幕間に宮崎ゆいの「message…」を収録。 「もんげー! オラはトゥインクルスター」はもちうさぎの描き下ろし作品。スランプに悩むまんが家の女の子の前に人間の姿で現れ、お気に入りの場所へとつれていってあげるコマさん。 幕間にもちうさぎの「message…」と「もちうさぎのコミックス情報」を収録。 「あつまれ☆ともだち妖怪」は森江真子の描き下ろし作品。キュン太郎、呪野花子、ばくそく、ボー坊、虫歯伯爵等、ちょっと珍しい妖怪達にスポットを当てた4コマ漫画。 幕間に森江真子の「message…」と「森江真子のコミックス情報」を収録。 「コマさんのシークレットタイム」は猫村さきの描き下ろし作品。公園にある売店の前で、ぼーっとしているコマさん。売店のお姉さんに恋をしているのではないかと、気になって見に行く皆だったが…。 幕間に猫村さきの「message…」を収録。 「GOGO!ウォッチーズ」はやたばはるの描き下ろし作品。困った事があった時に、その都度助けになりそうなともだち妖怪を召喚するケータだが、妙な使い方をしたり、問題のあるケースも多い模様。 幕間にやたばはるの「message…」を収録。 「オレっちがニャンバーワン!」は詩瀬はるなの描き下ろし作品。応援しているフササたんがニャーKBのナンバーワンに選ばれた事を機に、妖怪の人気ナンバーワンを決める妖怪グランプリの開催を提案するジバニャンだったが…。 幕間に詩瀬はるなの「message…」を収録。 「ウィスパーのパーフェクト執事になるでうぃす!」は清水まみの描き下ろし作品。妖怪執事としての腕を上げる為、何故か花子に女のコの格好をさせられたキュービを相手に、様々な修行に励むウィスパーの姿を描いた4コマ漫画。 幕間に清水まみの「message…」と「清水まみのコミックス情報」を収録。 「コマさんイケメン大作戦!」は佐倉紫露の描き下ろし作品。イケメンに憧れて人間の姿となったコマさんは、コマじろうの心配をよそに女の子達からモテまくり、ボロボロになってしまう。 幕間に佐倉紫露の「message…」と「佐倉紫露のコミックス情報」を収録。 「YO! CURRY! WATCH!」は加藤みのりの描き下ろし作品。カゼをひいたお母さんの代わりに晩ごはんのカレーを作る事にしたケータと、ケータを手伝うジバニャン・ウィスパーの騒動を描いた4コマ漫画。 幕間に加藤みのりの「message…」と「加藤みのりのコミックス情報」を収録。 「きもだめしにご用心」はおりとかほりの描き下ろし作品。きもだめしにきて、脅かし役の妖怪達にビビリまくりのフミちゃん・ジバニャン・コマさん・コマじろう。 幕間におりとかほりの「message…」と「おりとかほりのコミックス情報」を収録。 「Gパニック!」はあさだみほの描き下ろし作品。お母さんからゴキブリ退治を頼まれたケータだったが、余りの恐ろしさに全く手が出せず、ジバニャン・ウィスパー共々振り回されっ放し。 幕間にあさだみほの「message…」と「あさだみほの単行本情報」を収録。 「うしなわれたソフトクリーム」は環方このみの描き下ろし作品。フミちゃんがコマさんにあげたものすごい高さのソフトクリームを、コマじろうにも食べさせてあげようとした所、ジバニャンのせいで地面に落としてしまい…。 幕間に環方このみの「message…」と「環方このみのコミックス情報」、もりちかこの2コマ漫画を収録。 「コマさん ~はじめてのおつかい~」は柴本翔の描き下ろし作品。足をケガした女子大生ハナビに頼まれ、お昼ごはんを買いに出たコマさんだったが、おなかがすきすぎて、なんでもかんでもソフトクリームに見える様になってしまう。 巻末に「message…」と「柴本翔のコミックス情報」を収録。 可愛い絵柄の作家ばかりで構成されている為非常に取っ付き易く、各話によって様々な妖怪が登場するとは言え、基本的にはどの話もケータ・フミちゃん・ウィスパー・ジバニャン・コマさん・コマじろうといった主要キャラを中心に描かれており、各キャラの好物等の基本設定をネタにしている事も多い事から、ゲームをプレイしていない読者にとっても、無理無くゲームの内容を把握しながら楽しむ事が出来る1冊であると言えそうだ。4~12ページとどの作品も短く、余り複雑な内容の物は無くお約束の展開が多い分、低年齢読者層にも読み易いと言えるし、ゲスト出演する主要キャラ以外のともだち妖怪の顔触れから、各作家のお気に入りの妖怪が窺い知れる所も楽しい。「完全版ホモホモ7」 みなもと太郎 復刊ドットコム 2013年4月5日4刷発行 定価本体2,600円+税 劇画調の絵柄とギャグ漫画調の絵柄を混在させるという斬新な手法を用いて描かれた、スパイ物のギャグ漫画。男性だけで構成されたホモホモ・ブロックと、女性だけで構成されたレスレス・ブロックとの激しい抗争の中、何故か敵の女性にモテてばかりいるホモホモ7の、御都合主義的とも言える活躍を描く。「週刊少年マガジン」1970年30号~1971年13号連載。 巻頭にカラーの「特別付録 ホモホモ7着せ替え」を収録。 「ホモホモ7只今参上!」親友の♂♂2号を♀♀11に殺された♂♂7は、長官からの指令を受け、クラブビリチスへと潜入するも、薬を盛られて激しいゴーモンを受けてしまう。なかなか口を割らないタフな♂♂7に次第に惹かれ始めた♀♀11は彼を逃がし、今度は自分がチーフの手によりゴーモンされる立場となってしまうが、そこへ♂♂7が彼女を助けに現れる! 「お命いただきやす!〈前編〉」おおぜいのやくざ達に囲まれていた清次を助け、新興やくざレスレス商事によって壊滅寸前のつぶれ組に客人として迎えられた♂♂7は、単身レスレス商事へ乗り込もうとしていた所を親分の娘・美弥に止められるが、♂♂7に代わってレスレス商事へなぐりこみ捕えられた清次を助けるべく、竜神お十三こと♀♀13と対の勝負をする事となる。 「お命いただきやす」♀♀13と♂♂7が勝負をしている間に、レスレス商事が送り込んだやくざ達の手によってつぶれ組は潰され、美弥は攫われてしまっていた。果たし状で呼び出された♂♂7と、レスレス商事のやくざ達との、激しい死闘がススキが原にて繰り広げられる。 「夜霧に愛をこめて」霧けぶる夜の街。オート・レスレス部隊に襲われ、ケガを負った所をセブリーヌに助けられたホモホモセブン。名刺を頼りにアパートへ行くもひっこした後であり、何とか再会したのも束の間、ホモホモセブンの素性を知ったセブリーヌは彼の下を走り去ってしまう。果たして、このすれ違いの恋の行方は…? 「レスレス7嬉々一発」ホモホモ7の毒気にあてられぬ様、同様にくずれたブロック員をと送りこまれた、ギャグ調キャラのレスレスセブン。千里丘陵の万博跡地に於いて、幾多のパビリオンをも薙ぎ倒す派手な戦いの火蓋が切って落とされる! 「暗黒星雲破壊指令」事故死と発表されたアッポロ14号の搭乗員を初め、つぎつぎと有人宇宙船におそいかかって飛行士を捕虜とし、宇宙征服を企むレスレス・ブロックの暗黒星雲。ホモホモ・ブロックはえぬきのメンバーと共に暗黒星雲に向かったホモホモ7も捕えられ、レスレス妖怪レスビゴンへのいけにえとしてささげられてしまうが…。 「夜の新宿捜査網〈前編〉」シンナーの密売をしているレスレス・ブロックへ潜入捜査していた婦人警官が、顔をつぶされ殺されてしまった。彼女の後を継いでゴーゴークラブに潜入したホモホモ7は、彼の素性を知るおとりの女性によって地下室に落とされ、捕えられてしまう。 「夜の新宿捜査網(後編)」日本じゅうの男性を廃人にする四七計画の事を首領から聞かされたホモホモ7は、地下のシンナー製造工場を破壊し、逃げる首領を追う。殺された婦人警官のかたきをうとうとするホモホモ7だったが、なんと首領の正体こそ殺されたと思われていた婦人警官であり、おとりの女性は彼女の妹であった。 「ホモルタカス」どれいにされたおおぜいの男たちをたすけるという任務を帯び、レスレス・ブロックイタリア支局がローマの一角につくった大レスレス都市に向かったホモホモ7。勝てば全どれいを解放するという条件で戦車競争に参加する事になったホモホモ7は、男子殺人歴数十名という強敵レスレスヒカリを相手にどう立ち向かう!? 「どん底」レーダーにうつる無数のレスレス・ブロックの編隊。いよいよ敵は総力をあげて攻撃してきたと、たった一台のオンボロヒコーキで、ホモホモ7を出撃させる長官だったが…。 「熱砂の果てに!」アラビアの油田をレスレス・ブロックにおさえられ、全世界のホモホモ・ブロック支局に石油がこなくなってしまった状況を打破するべく、動物園からぬすんだラクダを連れてアラビアへ飛んだホモホモ7。四十人のレスレス盗賊が、ホモホモ7がとまった岩穴旅館を襲撃して来るが…。 「目出た目出たの♂♂七号」そば屋の出前もちをしていたレスレス・ブロック員に家をのっとられてしまった長官の為、タコに扮して偵察させられるホモホモ7。 「強風波浪注意報(その1)」レスレス・ブロックの本拠地レスボス島よりにげだした脱走者を救出に向かったホモホモ7。嵐の中、海に投げ出された脱走者を背負って名もなき孤島で雨がやむのをまつ事にしたホモホモ7だったが、彼女はなかなか心を開こうとせず、そうしている間にも大幹部が指揮する追っ手の船は、彼らのいる島へ近付きつつあった。「その1」と書かれているが分割されておらず、1話のみ。 「殺人者」デパートのエレベーターに乗った所を、2人組の殺人者に連れ去られてしまった長官。殺されたエレベーターガールの背中に突き刺されていた手紙で横浜港へと呼び出されたホモホモ7は、用済みとしてかえされた長官と共に、殺人者達に命を狙われるが、船に飛び乗り辛くも危機を脱する。しかしその頃ホモホモ・ブロック本部がレスレス・ブロックからの襲撃を受け、全滅させられていた。 「復活」久し振りにセブリーヌに会いに行ったホモホモ7だったが、彼女のアパートでは様々な怪現象が起こっており、窓から外にいる大幹部の姿を見て、それらがレスレス・ブロックからの脅しであると確信する。いかないでと懇願するセブリーヌを残し、ホモホモ7はレスレス・ブロックとの最後の決着を付けに向かうのだった。 幕間に収録された「本邦初公開!『レスレス7嬉々一発』自作解説」に於いて、「ホモホモ7」のルーツとなる未公開の読み切り作品「レスレス7嬉々一発」と、その後の「ホモホモ7」連載に繋がる経緯を作者自身が解説。 「幻のホモホモ7ルーツマンガ レスレス7嬉々一発」1969年に執筆され、替え原用として「ビッグコミック」に採用されるも結局掲載されず、後に「ホモホモ7」のルーツとなった幻の未公開作品。ホモホモブロック諜報員を次々消し去るレスレスブロックうでききの諜報員♀♀7。彼女を調査する為クラブビリチスへと潜入した♂♂11だったが、薬を盛られて拷問の憂き目に。しかしなかなか口を割らないタフな♂♂11に、次第に惹かれ始めた♀♀7は彼を逃がし、今度は自分がチーフの手により拷問される立場となってしまう。 巻末に、連載当時駄菓子屋の店先で当作品を初めて読んだと言う編集家・竹熊健太郎による「解説 永遠のマンガ青年/みなもと太郎」を収録。 「ギャグと劇画のミックス」という斬新なアイディアで「レスレス7嬉々一発」という作品を描き上げ、採用はされたものの一向に掲載されなかった一年間の間、誰かが同じ事を思い付いて先を越されやしないかと心配していた旨が「自作解説」にて語られているが、実際後に「天才バカボン」に於いて脈絡無く唐突に劇画調のコマが挿入されるといったギャグの手法が用いられたり、劇画調の絵でギャグ漫画を描くというコンセプトの「がきデカ」や「こちら葛飾区亀有公園前派出所」といった作品が登場したり、室山まゆみの初期作品に於いてもギャグキャラとシリアスタッチのキャラが混在する作品が描かれている事等を考えると、やはり斬新なアイディアという物は少しでも先に発表する事が重要であり、その点に於いて、若かりし頃に早くもこうしたアイディアを思い付いて作品化していたという事実は正に驚異的な事であり、後の時代に描かれた多くの作品に影響を与えた事と共に、大きな賞賛を贈るに相応しい作品であると言えるだろう。 とは言え、ギャグ部分は(恐らく劇画調の部分との落差をより際立たせる為にわざとそうしたのだろうとは思われるものの、)明らかに酷い手抜き絵で描かれており、そうした部分に全く抵抗を感じないとは言い切れない面が、確かにある事も又事実。 ただ、全体的にはスパイ物の王道ストーリーをギャグで味付けする様な構成となっており、恋仲となったセブリーヌや助けた脱走者がその後の話にも登場するといった具合に、前回までの細かい設定がちゃんとそのまま引き継がれている事からも、決していい加減な作品作りが成されていた訳ではなく、仮に全てギャグ調か劇画調どちらかの絵で統一されていたとしても、読ませる内容の作品となっていたであろう事は想像に難くない。男性キャラの多くがギャグ調の手抜き絵で描かれている反面、女性キャラは(一部を除いて)皆劇画調の麗しい姿で描かれており、過剰にセクシーな衣装を纏っている事が多い点も、大きなセールスポイントの1つとなっている。「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 ⑧ 谷川ニコ スクウェア・エニックス ガンガンコミックスONLINE 2015年8月22日初版発行 定価:本体476円+税 女子高生になれば自動的にモテると思い込んでいた喪女でぼっちの主人公が、間違った方向にばかりモテる努力をするという、身につまされ過ぎて心苦しくなる様な要素を多分に含んだ、コミュ障御用達の日常系ギャグ漫画。「ガンガンONLINE」2011年8月4日更新分より連載開始。 「喪67:モテないし姫になる」隣りの席の男子達がゲームで盛り上がっていた事から、オタサーの姫になる事を考え、同じゲームを買う智子だったが…。 「喪68:モテないし2学期をだらだら過ごす」アニメの口調を真似たりRPGで卑猥な名前を入力しようとしたりと、今日も家族以外誰とも関わりを持たなかった智子の、とある2学期の1日。 「喪69:モテないし班決めする」ぼっち故に修学旅行の班決めをするのが辛く、早退した智子は、余りものが集められた班に入れられた上に、その班の班長にされてしまうのだった。 「喪70:モテないし一人で買い物する」修学旅行用の私服を買いにショッピングモールへ行った智子は、同じ高校の生徒が大勢居た事から、人目を避けるべく時間潰しに映画を観る事にするが…。 「喪71:モテないし出発する」東京駅に集合し、新幹線に乗っていよいよ修学旅行に出発。周りの生徒達が浮かれて盛り上がっている中、一人孤独さ極まる智子であった。 「喪72:モテないし京都に着く」奈良公園・東大寺を経てホテルへ到着。余りもの同士の部屋は会話も絡みも無く、気を使い過ぎて早くも限界を感じ始める。 「喪73:モテないし整えない」同室の三人が居ない間に、下の毛をハサミで整えようとする智子だったが…。 「喪74:モテないし班行動する」寝ている吉田をくすぐって起こそうとした事から怒りを買い、張り詰めた空気になってしまった班行動。田村が仲裁に入るも、智子は余計な事ばかり口走り…。 「喪75:モテないしおみやげを買う」智貴へのおみやげに剣のキーホルダーを買おうとした智子だったが、丁度その時智貴から「いらない」という連絡が入り…。 「喪76:モテないし頂上を目指す」昼食の後伏見稲荷へ向かった智子達。途中まで登った所で帰ろうとした吉田と田村を、自分が決めた予定だからと、みえみえの挑発をして無理に頂上まで登らせる。 「喪77:モテないし二日目の夜を迎える」疲れて部屋で寝ていた為に夕飯を食べ損なった三人。修学旅行らしいワクワクドキドキを味わおうと、有料チャンネルを観る為のカードを買った智子だったが…。 「特別編4」クリスマスにクラス会に行った智貴は、望まぬ友からのプレゼントで、姉におかしな誤解をされてしまう。 「おまけ」伏見稲荷からの帰りに、一人でアニメショップに向かった智子。 「あとがき①」修学旅行編の為の取材旅行に出掛けた作者を描いた1Pの後書き漫画。 「あとがき②」サイン会時の失敗談を描いた2Pの後書き漫画。 ぼっちには余りにもつらい修学旅行編の開幕。班決めの時の逃げ出したくなる気持ちや、周りが盛り上がっている事で余計に感じる孤独感は、ぼっちあるあるで見ていて辛くなってしまうが、自分も余りものでありながら他の余りもの達を見下していたり、吉田をヤンキー呼ばわりしての偏見に満ちた発言の数々には、その軽率な行動によるバカさ加減と共にある種の気丈さをも感じ取る事が出来、仲裁役の田村が居る事による安心感も手伝って、話が進むに連れ段々と素直に楽しめる様になると共に、笑える箇所も増えていく印象だ。智子自身も二日目の夜には「思ってたよりはマシな旅行になった」と考える様になっており、当初は余りもの同士故に交わる事など無さそうに思えたこの四人が、修学旅行後も関わりを持ち続け、吉田・田村・うっちーの三人がレギュラーキャラに昇格するだろうとは、この時点で誰が予想し得たであろうか。すぐに怒って手を出してくる為、智子は吉田の事を恐れているが、足をぐねった智子をおぶってくれたり、使えなかったカードを苦情と共に突き返しに行ってくれるといった優しい面を持っており、基本的に思考そのものはクズである智子も、バカであるが故の危なっかしさから、保護欲を喚起させる所がある事は確かだと思う。智子的に余計な事しかしない担任の荻野先生の行動も、決して悪気は無く、智子の為に良かれと思ってした事であって、そのすれ違いが笑いを誘うと共に、智子を包む優しい世界を構築している一要素であるとも言えるだろう。 カードを突き返しに行った吉田や、智子に「姉の網タイツ姿フェチ」だと誤解された智貴等、今巻では智子以外のキャラが割を食うシーンが特に目立って笑えた印象です。「私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。」 谷川ニコ スクウェア・エニックス ガンガンコミックスONLINE 2015年8月22日初版発行 定価:本体476円+税 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」の智子・ゆうちゃん・小宮山等3人の中学2年生時代のエピソードを描いたスピンオフ4コマ。「月刊ガンガンJOKER」2013年2月号~5月号・7月号~9月号・11月号~2014年2月号・4月号~2015年8月号連載。 「喪01」オープニングの1P漫画に「出会い」「裏側」「あだ名①」「あだ名②」「学ぶ」「歩く理由」「まるで成長していない」を含めた8本。給食の時間、一緒に食べるグループを組む相手が居らず、主導権をにぎれそうだからという理由でゆうちゃんに声をかけた智子。 「喪02」「3人組」「病欠の友達」「浮気」「親しさ」「友達の友達」「話題」「仲良し?」の7本。智子が風邪で学校を休んでいる間に、ゆうちゃんが小宮山に声をかけ、以後グループとなった3人だったが、智子と小宮山の2人だけだと全く話が合わず気まずい雰囲気に。 「喪03」「かぶり」「歩み寄る」「認めない」「周囲の評価」の4本。アニメの髪型を真似て登校してきた智子と小宮山だったが、周囲の評価は芳しくなく…。 「喪04」「上の人間」「卑屈」「二人になってみて…」「ヒエラルキー」「ポテンシャル」の5本。髪を下ろし眼鏡をかけ忘れて来たゆうちゃんはクラスの人気者となり、声をかけ難い存在に。 「喪05」「衝撃」「男関係」「聞くだけ聞く」「姉弟」「限界」の5本。智子が男子と会話している所を目撃した小宮山は衝撃を受けるが、後に男友達ではなく弟だった事が判明する。 「喪06」「穿いてきた」「無き者」「みんなの言葉」「常識的に」「目薬」の5本。プールの授業に備えて制服の下に水着を着てきたゆうちゃんと、貧乳無乳の違いを語り出す小宮山。 「喪07」「悪戯」「キモい」「同じ穴のムジナ」「想像する」の4本。寝ているゆうちゃんに指を吸われて変な気持ちになる智子と小宮山。 「喪08」「頑張る」「借り物競争」「クラスの女子」「キャタピラー競争」「ろくでなし」の5本。体育祭午前の部の一幕。割と活躍しているゆうちゃんと、今一つ活躍出来ない智子。 「喪09」「玉入れ」「運動会といえば」「組体操」「勝った」の4本。体育祭午後の部の一幕。3人が所属する白組は勝ったが、智子と小宮山には何の感動も無さそう。 「喪10」「クリスマス」「ナレーション」「言って良いことと悪いこと」「クリスマスの予定」の4本。下校中にクリスマスの予定について語り合う3人と、クリスマス当日の小宮山。 「喪11」「初詣の装い」「センス」「中学2年生」「来年も……」の4本。一緒に神社に初詣に来た3人。来年も再来年も3人で来たいと言うゆうちゃんだったが…。 「喪12」「ぬけ殻」「そっとする」「タフ」「そっとしない」「こいつが初めて」の5本。変なCDを買った事がお父さんとお母さんにバレて落ち込む智子。 「喪13」「舞い下りる」「退治」「受け入れられない」「拭く」の4本。桜の木の下で掃除していた3人。智子の頭の上に落ちてきた毛虫を、ゆうちゃんが箒で取ろうとしてつぶしてしまい…。 「喪14」「仲間はずれ」「調べ物」「凄い怒られた」「気になる」「結末」「虹」の6本。雨が降る下校時に、図書室で時間つぶしをする3人。 「喪15」「親切心」「聞き捨てならない」「感知」「密着」「お裾分け」の5本。蒸し暑い6月、汗臭くないかどうかお互いに嗅ぎ合って確認する3人。 「喪16」「夏休みの楽しみ」「色褪せる」「毎日が夏休み」「夏休みの始まり」の4本。いよいよ始まる夏休み。去年と同様、出勤する人達を尻目に駅前でゲームをして優越感に浸ろうとする智子だったが…。 「喪17」「夏らしいこと」「夏を満喫」「気づく」「不自然」「夏の花火」の5本。夏休みを満喫するべくヨー●ドーに向かい、お互いに気づいていながら無視し合う智子と小宮山。 「喪18」「旬の味覚」「偽装」「まつたけ」「予想外」の4本。掃除中と下校時に秋の食べ物について語り合う3人。 「喪19」「文化祭の出し物」「難問」「パーソナリティ」「クイズ」「盛り上がり」の5本。文化祭の出し物で、クラスのみんなのことをクイズにすることになり、3人にも質問が回ってくるが…。 「喪20」「アニメの女の子」「オンオフ」「日常会話」「善人」の4本。萌えアニメのキャラには裏表があるという持論で、今まで受けつけなかった萌えアニメが観れる様になったと言う智子。 「喪21」「男心」「津々」「代用品」「プレゼント」の4本。弟のクリスマスプレゼントを買う為、何故か護身用の武器を売っている店に向かう智子。 「喪22」「目力」「気配」「本気」「疲れた」「見開く」の5本。アニメの糸目キャラにあこがれて真似をする智子だったが、薄目の維持に疲れて長続きせず…。 「喪23」「競争」「本気」「ランナーズハイ」「幻想」の4本。マラソン大会で、一緒に走るというゆうちゃんとの約束をすぐに破って1人で走り出し、上位入賞を果たした智子。 「喪24」「春」「一年間」「異物」「涙」の4本。卒業式当日、3年生に知り合いがいない3人にとっては、特に悲しいイベントでも何でもなく…。 「喪25」「傷」「グロい」「心の傷」「やり合った」の4本。格好いいから顔に傷を負ってみたいと言う智子と、実際に顔に大ケガをした事のあるゆうちゃん。 「喪26」「ゲームとアニメの影響」「ハローワーク」「直視」「影響」の4本。進路調査表に記入する為、将来希望する職業について調べたり話をする3人。 「喪27」「ルール」「落とし物」「防犯効果」「落とし主」の4本。立ち読みする為学校帰りにコンビニに寄り、大金が入った財布を拾った智子。 「最終話」「日常」「刺激的」「高校生になって…」「変わらない」の4本。早く高校生になりたいと言う中学生時代の智子と、早く大学生になりたいと言う現在の智子。代わり映えせず。 本編がある程度進んでから描かれた過去エピソードなので、中学時代にほぼ1年間一緒に過ごしていながら、本編の方では小宮山の存在を完全に忘れていたりと、不自然な所も無くはないのだが、現在と同様中学生時代から安定のクズっ振りを発揮している智子の姿には、(変に他人への気配りが出来る程成長したりしていない分)逆に安心出来ると言えなくもない。小宮山の方がまだ周囲への気配りが出来る様ではあるが、それでも読者的に智子が嫌いになれない最たる理由は、やはりクズっ振りに対する罰とでも言うべきか、割を食う事が多い点にあるのではないかと思われる。CDがバレて落ち込んだり、頭上の毛虫がつぶれて現実逃避している智子の呆けた顔が、何とも可愛らしい。4コマ漫画形式である点も、テンポが良く読み易くて良いのだが、時系列順ではなく雑誌掲載順に収録されている為、クリスマスや初詣のエピソードの後に再び春・夏・秋・冬のエピソードが掲載されるといった形になっており、その為「中2~中3時代の2年間の出来事が描かれているのだろうか?」と、読者を混乱させる原因に繋がってしまっている点が少し気になった。「ダンジョン飯」 1 九井諒子 企画・制作 エンターブレイン 発行 KADOKAWA ビームコミックス 2015年3月6日初版5刷発行 定価:本体620円+税 炎竜に食われた妹ファリンを助ける為、倒した魔物を食しながら再び迷宮最深部を目指すライオス一行の冒険を描いた、ファンタジーグルメ漫画。「ハルタ」2014 FEBRUARY volume11より連載開始。 「第1話 水炊き」炎竜に苦戦するライオス一行。ファリンの魔法で辛くも迷宮から脱出するも、ファリンは炎竜に食われてしまった。仲間がふたり抜け、金も時間も足りない中、ライオスの趣味も兼ねて、迷宮内の魔物を食べ自給自足をしながら再び最深部を目指す事となる。 「第2話 タルト」地下2階。人喰い植物の実を採り、「人喰い植物のタルト」を作って食す一行。 「第3話 ローストバジリスク」バジリスクに襲われている他のパーティーを助けた一行。バジリスクの肉に毒消しを使った「ローストバジリスク」を作って食し、バジリスクの毒にやられた新米冒険者も元気に。 「第4話 オムレツ」首を落とす事でいとも簡単にマンドレイクを抜いてしまうセンシに対し、本に書かれている事の正しさを証明しようと、大蝙蝠にマンドレイクを抜かせる事を思い付いたマルシルだったが…。 「第5話 かき揚げ」火罠の火力に感心したセンシは天ぷらを作る事を思い立ち、罠のエキスパートであるチルチャックと協力し合って、煮え油や落ちてくる刃の罠も利用して「マンドレイクのかき揚げと大蝙蝠天」を完成させる。 「第6話 動く鎧 -1-」動く鎧に殺された過去を持つライオス。動く鎧が大勢立ち並ぶ部屋へとやって来た一行は足止めを食らい苦戦するが、扉の先にいた、何かの生き物の卵鞘を守る動く鎧との戦いの最中、ライオスは動く鎧が生き物であると確信する。 「第7話 動く鎧 -2-」動く鎧の正体を探り、倒す方法に繋げるべく、相手のスキを狙って頭を奪い取ったライオス。断面の隙間から、内側に軟体生物が潜んでいる事を突き止めたライオスは動く鎧を撃退し、貝を料理する要領で動く鎧を調理して皆で食すのであった。 「モンスターよもやま話 1.」今巻に登場した歩き茸・スライム・人喰い植物・マンドレイク・バジリスク・動く鎧について、作中では描かれなかった設定を解説し補完する幕間話。 現実には存在しない魔物を食材に、ファンタジー世界ならではの調理法(罠を使う等)で、現実に存在する料理(に近い料理)を作り上げる異色のグルメ漫画。歩き茸は縦方向に切りやすいという、現実の茸に照らし合わせたシンプルながらも目から鱗な設定に始まり、ナイフでのスライムの倒し方、人喰い植物の種類と獲物に対する攻撃方法の多様性、バジリスクは蛇が頭で鶏が尾であるという驚きの設定、マンドレイクを叫ばせない方法や叫ばせる事の意味、動く鎧が貝に似た生き物の集合体である等、「魔物を食べる」という作品コンセプトから外れ過ぎないながらも、今まで当たり前の様に受け入れ、深く考える事の無かった一般的なファンタジー作品の内容(殊に魔物の生態)についての深い考察には、強く唸らされ感心させられると共に、単にそれ等の設定を説明するだけの内容に留まる事無く、上手く物語と絡ませて作品の面白さに繋げている点は、見事と言うより他は無い。 魔物を食べる事に興味津々なライオスに、魔物への嫌悪感を清々しい程顕に表に出し過ぎるエルフのマルシル、子供っぽい外見だが仕事への拘りの強い大人なチルチャックに、料理上手で何事にも動じないドワーフのセンシと、最低限の人数ながらも皆魅力的なキャラばかり。一見頼り無さそうにも見えるものの、冒険初心者からアドバイスを求められる程には冒険慣れしている彼等の、今後の活躍に期待したい。「ダンジョン飯」 2 九井諒子 発行 KADOKAWA ビームコミックス 2015年8月24日初版初刷発行 定価:本体620円+税 炎竜に食われた妹ファリンを助ける為、倒した魔物を食しながら再び迷宮最深部を目指すライオス一行の冒険を描いた、ファンタジーグルメ漫画。「ハルタ」2014 FEBRUARY volume11より連載開始。 「第8話 キャベツ煮」迷宮地下3階。土で出来たゴーレムの身体を畑代わりにして、野菜を育てているセンシ。久し振りに野菜をたっぷり使った料理に満足した一行は、迷宮と共に暮らすセンシに感心する。 「第9話 オーク」収穫した野菜を物々交換に使う為に向かった迷宮内の酒場にて、突如オークが襲来。捕えられた一行は、何故かオークと一緒にパンを作って食事する事に。 「第10話 おやつ」新進気鋭の実力派パーティーが全滅。どうやら財宝そっくりの宝虫にやられたらしい。ライオスの剣が反応した事で難を逃れた一行は、センシの調理でおいしいおやつを作って食すのであった。 「第11話 ソルベ」霊の扱いを得意としていたファリンを失った為、幽霊の群れに遭遇して苦戦する一行。ろうそくの火を灯し、宝虫のジャム等を用いて作った即席の聖水を瓶に入れて振り回し、幽霊を撃退する事に成功した一行は、冷気でアイスとなった聖水をおいしく食すのだった。 「第12話 宮廷料理」食堂らしき大広間へ来た一行。飾ってある絵画は全て獲物を中へ取り込む生ける絵画であった。命綱を結んで自らご馳走が描かれた絵画に飛び込んだライオスは、3度目の挑戦でようやく絵の中で食事する事に成功するが…。 「第13話 塩茹で」厨房で睡眠を取る事にした一行。皆が寝ている時に1人で水汲みに行ったチルチャックは、罠のある部屋に閉じ込められてしまい、ミミックから逃げ回りながら仕掛けを解く事に奮闘する。 「第14話 水棲馬」地下4階。地下水で形成された湖を渡るべく、水上を歩ける様になるマルシルの魔法を使うも、髭に魔物の脂や血が染み込んでいるセンシには効かず、代わりに仲の良い水棲馬のアンヌに乗って湖を渡ろうとするセンシだったが、突如水中に引き込まれて襲われてしまう。 「モンスターよもやま話 2」今巻に登場したゴーレム・オーク・ミミック・宝虫・幽霊・水棲馬について、作中では描かれなかった設定を解説し補完する幕間話。 1巻に登場した動く鎧に続き、全身が土で出来たゴーレムに、財宝に擬態した宝虫、幽霊、生ける絵画、宝箱に潜むミミック等、どうすれば食べられるのか疑問に思えてならない魔物のオンパレードとなる今巻。宝虫は昆虫、ミミックはヤドカリに似た魔物と解釈する事で、これ等の魔物に関してはそのまま食べられる設定となっていた一方、ゴーレムの体を畑として利用したり、幽霊の冷気でアイスを作ったり、生ける絵画は食事風景を選んで中に入るといった具合に、多少の無理矢理感はあるにせよ、全て食べる事に繋げている点は見事と言うより他は無い。こうなってくると、今後何処まで食べ物に結び付ける事が難しそうな魔物が出て来るのか、読者としては楽しみに思えて仕方が無いといった所だ。オークと他種族との確執や、迷宮が形作られるに至った城の歴史の一部等、一冒険者のグルメな旅というミクロな視点のみならず、世界観全体に広がるマクロな視点についても描かれていた点は、本格的ファンタジー漫画としての一面を垣間見せてくれたとも言え、ますます今後の展開が期待されると言っても過言ではないだろう。