敵も人間であることを忘れるな | サズ奏者 FUJIのブログ

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ハジベクタシュはすでに12世紀にこんなことを言っていた。いまのわれわれよりはるかに賢くはないか。人間の知恵は時代とともに退化している。われわれは無感動な科学、無機質な社会秩序によって滅亡するだろう。マンモスの牙が伸びすぎたように。このどうしようもない社会の未来は、「自己保身」や「組織の命令」より「社会正義」や「隣人愛」を優先して行動できる人間の数によって決まるだろう。だが、その見通しは明るいとはいえない。自分の胸に手を当てて考えてみれば想像がつくというものだ。

だから、対立と憎悪と無関心をあおる馬鹿どもとそれに踊らされるお人よしどものために、せめて言ってやろう。敵も人間であることを忘れるな、と。




梅図かずおは1970年代にすでに今日を見通していた。われわれのなかのある者が異形の姿で生まれる。それは母親にも見せることなく始末される。だが、次第に異形のものばかりが生まれてくるようになり、ついには始末されることを免れ、成長して子孫を残すものが現れる。




「こうして運よく生き残った赤ん坊からわれわれが生まれたのだ」

人間というよりは蜘蛛に近い姿の、未来の人類が語る。『漂流教室』の一場面だ。