この酷暑の中。
「まだ冷房な、つけてないねんで私。」
母。何を言っているのでしょうか。
イケベユキコです。
母。74歳。
危険だと偵察に行きましたところ
ピンピンしていました。
「あんた。
冷房の部屋にずっといるし弱るねん。
私なんかまだ1回も
冷房つけてへんねんで。」
冷房をうまく使って体調管理をと
呼びかけているご時世に
何を言っているのでしょう、この人は。
それも自慢げに。
言うことを聞かないので
いっぱい水を飲むように言ってたら
「不思議なことがあってなぁ…」
と語りだしました。人の話を聞いてない
「こないだ夢でお父さんがなぁ。
『トヨコ。セコム変えますよ』
って言わはって。」
「声だけやねんけど。
びっくりして目が覚めてなぁ。」
「目が覚めたら
お父さん死なはったんやなぁって思てなぁ…」
うんうんと聞いておりましたら
「そしたらアンタ。昨日セコムから電話あってなぁ。」
「録画機能が作動してないから見に行きますって」
「ほな、故障みたいで
全部新しいのに替えてくれはってなぁ」
「無料でなぁ♡」え、そこ？
「不思議やろう？」
母は何度も言います。
幸せそうな、嬉しそうな顔をしてました。
生前も母を
大切にしてくれたお義父さんでした。
今も
母を見守ってくださるお義父さんを感じます。
感動します。
ジーンてしてたら
「セコム新しなったらな、音鳴るねん。」
「私シャッターんとこ行ってくるから。」
「画面見ててや！」
画面に無駄に動く母の姿がありました。
その人にしかわからない感覚や直感。
時空を超えて届くメッセージ。
浪漫です。
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