第11回 東京大薪能 in お台場 (の感想) | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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なんとか滑り込みで鑑賞してきました。東京大薪能!
で、今回から、演者を二重にアップすることは止めてリンクを張ることにしました。
 ココ→第11回 東京大薪能 in お台場

 

今日は九段下にてお仕事で、どのように行ったら一番ラクチンなのか、を事前に調べたところ、どうも「海1」という都バスがよろしい感じ。バス停も「潮風公園前」っちゅうのがあるし…。
それで門前仲町始発のこのバスに乗りました。電車だって30分ぐらいはかかるし、ラクチンで買っておいたパンをバスの中でこっそりムシャムシャ…。
ところが…! 潮風公園前に停まらないッ! 
そのまま終点に着きました。運転手さんに聞いたところ「門仲から行くときは停まらないんだよね~」  (T-T) それってアリ?

 

 

18時半開演で、到着したのが19時20分…。ところがまだ最初の解説でした。ラッキー☆

 

 

席は十分ありましたが、かなり埋まっていました。中正面寄りの中央よりやや後ろに着席。悪くは無かったんだけど、ワタシの前に座っていた女性が(見づらいのは分かるけれど)イチ・ニ・サン、ニ・ニ・サンぐらいのタイミングで右に寄り左に寄り、します。 (-"-)  しかし、諦めました。薪能はお祭りと思わなかったらストレスが溜まりっぱなしになります。

 

 

「加茂」です。よくよく考えたら、お能は初見です。しかし、チョ~短縮版。
次回、能楽堂でちゃんと観ることを決意しました。
今日は風が非常に強く、前ツレの鬘帯が風になびいてちょっと良い雰囲気。いかにも若い里女が水を汲みにやってきたという感じがします。つづいてシテ登場。
しかし、思わず笑みが…。辰巳満次郎師の堂々たる里女はグラマーです。前シテなのにもう正体がバレてる感じ…。ぷぷぷ。でもステキ!
以前、お師匠様に伺ったところ、唐織を着附にするとき前を開けますが、年齢が若いほど詰めて着付けるのだそうです。年齢がゆくほど大きく開ける。
それはどうも普通の女性が年齢が行くほど帯を下に締めることとイコールらしいです。で、満次郎師は大き目に開けた着付がお好みだとか…。
さて、舞台にシテ&ツレが登場すると、ず~っとすっ飛ばして、いきなりロンギから開始です。まあ、そうじゃないと時間内に終わりませんから…。
そして間狂言に続き、後ツレの天女が登場、この天女の舞も短縮版です。そしていよいよ別雷神の登場! (待ってましたッ!)
もう、ド迫力です。ホンモノみたい! そして水を得た魚?いや、太平洋の鯨のように謡い舞うシテ! ますます風が強くなってきて、赤頭を吹き上げます。
(この唸りの効いた謡が、なんとも言えず良いのですよ~。)

キャ~、カッコいい~!

危うくまた叫びそうでした。仮設舞台なので拍子の音がショボイのが(しょうがないけど)残念!

 

 

狂言から、ストレスの溜まる席を離れ、中正面よりに移動。
風もびゅうびゅうに強く、非常に寒いので帰る人が結構いらっしゃいます。ワタシは会社からフリースひざ掛けを持参したので、まあなんとか凌げました。

 

 

「葵上」も短縮版。小書演出ではありませんが、ほぼ梓の出と同じ。さらに六条御息所が昔の栄華を謡うところは当然省略でした。

 

 

毎回思うことですが、渡邊荀之助師はこういうモノが本当にウマイです。見せて、いや魅せてくださいます。
ちゃんと六条御息所として、謡い舞います。イノリも内に激しいものがありつつ品が良いというか、とにかく、良いです!(あ~、ボキャブラリがプア~!)
最初に心の動きがあって、それが体の動きとなる…。
こんな感じのセリフが「ガラスの仮面」にありました。
しかし、こういう短縮版のお能だと、シテの演技力は本当に大事です。ましてや無料の娯楽として参加しているお客様が大部分なのですし…。

 

 

また照日の巫女の渡邊茂人師も文句なしです。ずっと下ニ居ですがその端正なたたずまい、こちらもきちっと巫女です。
風がますます強く、舞台の出し小袖が飛びそうになり後見が風呂敷につつんだ何か重しをもってきて押え、なんとなくホンモノの病人のようにも見えました。
照日の巫女の白い水衣も風にはためいているし、舞でも扇がかなり風に煽られているのがハッキリわかります。(見所ではプログラムが飛んでいた)

 

 

野外なのでピンマイクが、主だった演者に付けられていますが、地謡は地頭のみについていて、ちょっとバランスが悪かったです。後ろ4人に全部付けて音量をセーブすればいいのにな~、と思いました。