辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ、第43弾をお送りします。
どうぞ、お楽しみください。
いまだに…!
エアコンをつけたくなる陽気のときあり、袷の着物に衣替えしている我々には辛いもんです。
半袖の洋服を着た方など見かけたら、羨ましい一方、
「季節感がないでしょうが!」
と心で呟いてしまいます。
すみません…(^_^;)
今回のお題は「花」
「花」と「能」との関わりについて、
何回かにわけてお届けいたします。
「花」と言えば「桜」という観念は、
室町以降のものかと思います。
万葉集や古今集は桜よりも梅や萩、撫子などの方が
ずっと多く詠まれています。
「松竹梅」というくらいに、
昔は桜はあまり存在感が無いようです。
「松竹」が常盤、万年青のイメージで
能舞台にも存在する訳ですが、
次には桜ではなく、梅です。
桜には「散る」というイメージが強いのでしょうか…、
稀に切戸側に梅の画かれた舞台もあるのですが…。
しかし、室町以降に出来た曲に於いては、
既に花と言えば桜の感あり、です。

能によく出てくるフレーズに
「吉野竜田の花紅葉」
ということがあります。
吉野山の桜と竜田山の紅葉が代表的であるからです。
「嵐山」は吉野山の桜を植樹したとか。
竜田山の紅葉が竜田川に落ちた様も風流で、
「竜田川」という図案もあります。
また「柳桜」という言葉もあります。
夏の青柳、春の桜ということで、
華やかな景色、賑やかな様子を表します。
続く…
辰巳満次郎


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