辰巳満次郎先生のメルマガ・アーカイブ、第38弾をお送りします。
どうぞ、お楽しみください。
台風一過の暑さには参りましたが、それでも夜は幾分過ごしやすくなったのではないでしょうか?
先日は短い間ですがバリ島で能のご紹介をしてきました。
(注:2010年9月2日の公演です)
http://ameblo.jp/manjirofanclub/entry-10638027430.html

現地のトペン(ガムラン舞踊に使用する面)作家であり、
国宝級ダンサーを訪問してお話しましたが、
やはり能面と大変共通点があります。
日本文化というものは中国大陸、朝鮮半島から渡来したものと、インドネシアなど南方から伝来したものが、日本国内で独自の発展を遂げたと言います。
南方からは海流に乗り渡った訳で、つまり潮流に逆らう技術の無い時代には、南方の影響が中心的だったと推測できます。
能の源流がその頃から続いていることから、伎楽面などの大陸型の大きな面を使用せず、南方型の小ぶりな面を使用していることは大変興味深いところです。
(参考:http://blog.livedoor.jp/asabali_dance/archives/6685694.html)
勿論、能の中には雅楽などの宮中音楽を真似たスタイルが登場しますが、古くからあるスタイルの中に取り込んで、独自の発達のあったことは、とても良かったと思います。
古神道・陰陽道・儒教・仏教など様々な影響が加わり、精神的にも技術的にも日本文化が高まった歴史はご承知の通りです。
日本から持参した能面をトペンの工房の机に広げて見せた際に、
彼のトペン人間国宝は、
「同じだ!」
と唸りました。
さらに、机に並びきらない能面を椅子の座面に並べようとした
助手に向かい、
「椅子になんか置かないでください。」
と言われ、その精神性を知り嬉しくなりました。
辰巳満次郎


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