ソウルの鼓を五反田で打つ?  まり子の小鼓体験記 | 能楽師 辰巳満次郎様 ファンブログ

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まり子です。ほほほほほ…。
お分かりでしょうが、タイトルはずばり「江戸の敵を長崎で討つ」のパクリでございます。

あの「点と線」ソウル・ツアーの記事でちょと触れましたように、雛祭の本物の五人囃子の楽器体験ワークショップで体験できたのは笛だけでございました。
時間と人数の関係から笛以外の楽器体験までは叶わなかったのですが、今回思いがけずに小鼓体験?できるチャンスがめぐってまいりましたっ。

参加したのは、日本の音 小鼓【刀を持たずに体感する武士道】
講師は舞台で時々拝見していた森澤勇司師、でゴザイマス。
参加案内のメールに名刺を12枚程用意、とあったので
急遽夜なべで名刺を自作したまり子…。
(いずれご紹介いたしましょか…
このリッチな内容の講座が開催された場所は五反田の、池田山能舞台。
チョ~高級住宅街にある、個人宅の舞台でございました。


それで、 「ソウルの鼓を五反田で打つ」
ま、それはさておき。

ひょっとしたらワタシ隠れた天才?妄想はソウルにて打ち砕かれているので、今回はちゃんとついてけるかなぁ、な後ろ向きぐらいの謙虚な?ノリで参加いたしましたが…。
当日初めてお会いする参加メンバーは、まり子含め9名の内、ナント7名がお能を一度も観たことない、って方々だったのです!
これは大きく予想外でございました。
しかし皆さん、日本文化の真髄?を知りたい体験したい、と熱い思いで集まってらした方々…。
皆様、森澤師とは能とは全く関係ないところでお知り合いになったとのことで、実習を始める前の森澤師の講義?では、皆さん感動 しまくり、目からウロコが落ちまくり状態…。
それはまり子も同じでゴザイマス…。
今までは囃子方のことはほとんど知ることがなかったのですが、囃子方の目線からのお話は非常に興味深く、マタ森澤師がお話上手で教え上手
特に「風姿花伝」や「五輪書」の内容に、現代にも通じる普遍的な教えが書かれている、というお話に一同頷くことしきり。
なんと懇親会ではこれらの古典を参加者に一冊ずつプレゼントしてくださったという太っ腹さ!
ちなみに、これがまた別セミナーとなっております→詳細はこちら

ま、これまたさておき、実習でゴザイマス。
ひとりひとつのお稽古鼓を貸していただき、持ち方、構え方、打ち方をご指導いただきます。
ゼイタクでしょう? この日だけのマイ鼓なんです。

お稽古用小鼓が全員に!

要は、正しい姿勢で正しく構えて自然に打てば、自ずから鼓は鳴る…、と。
う~ん、確かにそうですよ~。全てに通じる、極意であります。
と言っても、そこは初心者、アタマで理解してもカラダがついていきません。

最初は「三ツ地」のお稽古。
おおお、ソウルで辰巳満次郎様がご指導くださったアレ、ですね。
(しかし、全く覚えていなかった、まり子…。

「コミ」 (多分アレなんだろうけど実は知らなかった) という一呼吸 、という間に気持ちをを篭める) を必ず取って、

   ヨォと発声 ポンと打つ、
   ホゥと発声 ポンと打つ、
   ホゥと発声 ポンと打つ、


この「ヨォ・ホゥ・ホゥ」の三つでワンセットなんだそうでゴザイマス。
ちなみに胴 (木製筒状の共鳴体、写真参照) に皮をセットして小鼓の完成形なのですが、皮の真ん中(胴の空間部分)を打つと低い音、ちょっとずらして(胴の縁、木の部分)を打つと高い音を出せます。
森澤師が実際に舞台で使っているものは江戸中期ぐらいだったか、のモノ。
美術品でございます。

小鼓の構造
(スミマセン、この写真は【こちら】から勝手に借用しました…

続いては「長地」のお稽古。
おや「ツヅケ」ってやつではないんですね。(←知ったかぶり
ってこれはかなり(初心者には)高度な技術で、実際まり子はパニクリパニクラ…
(やっぱり不器用だったさ…

「三ツ地」は、声を出すのと鼓を打つのとがペアでしたが、
「長地」では、声を出すだけ、鼓を打つだけ、ペアの三種類が組み合わさっています。
これは大鼓との交互の打つのでそうなってる(そういえばソウルで辰巳満次郎様がご説明下さった中にあったような…)んだそうな…。

「長地」はちょっとうまく書けない(実習でもぐちゃぐちゃになった…)ので、
百聞は一見に如かず、こちらを見ていただきましょう!→能の構造「演技と音楽」小鼓
(モデル?は残念ながら森澤師ではありませんが…。)

そう、今シミジミ確認すると「中ノ舞」のカカリ部分だったんですねぇ。
そう言えば森澤師が選んだのは「敦盛」だったし…。
とまあ、こんな具合でお稽古が続きまして、最後にミニミニ発表会です。その前に

  「紐(調緒)はどれぐらいの強さで持ったら良いですか?」

と受講者よりナイスな質問。すると森澤師からは

  「鳥を持つぐらいですね!」

と鮮やかなお答えが!
えっ?
だとすると、まり子はウチのこの子を何度も締めていたことに…


おそるべし、プロのノウハウなり…。
しかし、気付くとギュウギュウに調緒を締め付けていた、まり子…。

そして、ミニミニ発表会は一人ずつが舞台に上がって行なわれました。
「三ツ地」は、森澤師が謡う「高砂」の待謡に合わせる一調スタイルで、
「長地」は、森澤師扮する大鼓方と合わせる舞囃子スタイルで、
それぞれ順番に選択して、切戸の出入りシミュレーションも教えていただきながら、
もちろん打つきっかけを出していただきながらのデモンストレーションです!
本番?は森澤師が実際に舞台で使っている大切なホンモノをお借りしました。

皆さん立派に打ってます…。素晴らしいです!
で、自分の番になって気付きましたが、ホンモノの鼓のホンモノの皮って堅かったです。
お稽古鼓は鳴り易くできてるんじゃないかなぁ。
まり子の出来は…、でございましたが…。

しかぁし、しかし!
楽しかったです。
4時間は、アっと言う間に過ぎてしまいました。

みんなで記念撮影

この後の、講師&他の参加者の皆様との懇親会もアっと言う間に過ぎてしまいました。
う~ん、時期がきたらちゃんとお稽古してみたいなァ。

ちなみに第2回のこの講座は6月2日(土)に同じ池田山能舞台にて開催予定とのこと。
森澤師は、初めての参加者も続けての参加者も、両方とも納得の内容を練っておられるとのこと。
これを読んだアナタ、次はアナタが参加してみませんか?
得るものイッパイでございますよ。
これでマスマスお能を観るのが楽しみに…!


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