晴れる

いつも下向きのクリスマス・ローズを接写してみました。
ナンダ、キミはそんなお顔だったのか…。
「点と線」ミステリー・ツアー記に決着つける前に、もうすぐ五雲会なので、ちょと前の月並能の感想にも決着をつけてしまおうと思います。
月並能のあった日曜日は「3.11」からちょうど1年。
どんな人も東日本大震災で犠牲となった多くの方々に思いを馳せた一日でした。
そういう特別な日の、家元ご自身が務める「高砂」…。
やっぱりいつもの「高砂」とはちょっと違っていたのかなぁ、と思いました。
なんだか「3.11」を強く意識しすぎたのではないでしょうか…。
シテの謡が重い、暗い、重い…。

まり子は「高砂」は明日への希望を繋ぐ能で、鎮魂の為の能ではないと思ってます。
重厚であっても明日への希望に繋がる明るさがなければなりません。残念…

救いは囃子と地謡で、厳か&重厚ながらも晴れやかさ明るさがあって「高砂」を「高砂」たらしめていたにゃ~

特に辰巳満次郎様


満次郎様

地謡後列がトロンボーンなら、黄金のトランペットって感じかしら~

きゃ~



ま、それはさておき…。
後シテの住吉明神は、若さあふれるキビキビした舞でね~。
ただ、やっぱり肩に力が入りすぎている感じか、前半の重たさは払拭しきれなかったかなぁ~、という惜しい印象でございました。
以前書いたように、やっぱり「高砂」は大きな大きな能なんですよ…。
次の狂言「素袍落」は何だか乗れずに爆睡…

続いては「熊野」
う~ん、ある意味、一番好きなお能かもしれません。
この日のワキはモリツネ師!
う~ん、平宗盛(ワキ)って悪役ではないんだがなぁ…、とひとり見所で思う、まり子。

さてこの日のヒロインは小倉敏克師でありました。
1/f のゆらぎの多い謡だなぁと思ったけれど、舞台が進むにつれ、どんどん美しく見えてくる…。
なんていうんでしょうかね~。
なんていうんでしょうかね…。
気持ちが熊野になっている、というよりも型が熊野になっている感じが美しい?
1/f のゆらぎから熊野の哀しみが伝わってくる…。
そんな風に感じました。
ただ、惜しくらくは装束の着付です。
あまり見たことのない装束で、金地に牛車と花が織り出されていた?カナ?
(装束チェックには双眼鏡は必須ですなぁ…)
古いものなのか、小さめの装束のように思えましたが、なんかグサグサしてた感あり…。
もうちょっとナントカならんのかね!の違和感がずう~っと付き纏っておりました。

まり子が「熊野」で一番好きな所は、平宗盛が熊野の宿下がり?を許すトコロ…。
如何にせん都の春も惜しけれど 慣れし東の花や散るらん
この歌を詠んだ時の熊野の気持ちは、もう諦めに近いものだったと思うのです。
そこに平宗盛からの帰郷の許可…。
この瞬間の熊野の気持ちを考えると、たまらずに泣けてきちゃいます。
また、この日はおシテ様の1/f のゆらぎが熊野の気持ちにピッタリはまり…、
ヨカッタんです~。
最後は「鞍馬天狗 白頭」
鞍馬天狗と言えばアナタ、花見児チャン達を見逃す訳にまいりませぬ。
そして小書「白頭」…いっそう位が上がった大天狗なんでゴザイマス。ワクワク

今回、遮那王クンを先頭に出てきた子方は全部で5人。
遮那王(高橋希)クンだって小っちゃい~、と思ったのに、もっと小ちゃい子が続くのです。
あまりの可愛さについ笑っちゃいます~



水上達クン…小学校に上がったとか、やっぱりちょっとお兄ちゃんになってます。
相変わらずおめめクリクリでカワイ~イ

和久凛太郎クン…5歳にして三度目の花見児を務める強者、う~んリンリンしてますね~

そして、お役をちゃんと務めるんだ~、という強い意志が表情に出てます。
ゆゆ~しし、ゆゆしし!
でもジャストサイズの装束がなかったのか、赤い振袖?が床を掃除しそう…カワイ~イ

そして今回4歳でデビューの野月惺太クン。メチャカワ~

しかしちょっと奔放?お茶目ぶりを発揮…、あらま、彼は先月の見所でジレてた子だ…。
しんがりは、まり子が亀治郎似、と密かに思っている鶴田航己クンです。
この子は大きいけど、まだ小学生なんですって~。
そしてこの子らを引率するのが人間国宝の宝生閑師。
でも、ほとんど出番は花見児と同じくらい…、ナンカモッタイナイ感じ。
おシテの高橋章師は、堂々たる大天狗の化身の山伏というよりも、
山伏に変装したどこかの大企業の社長さんみたいに見えます。
(ちょと水谷豊似?で金で源氏香&桐文様があったゴージャス大口着用のせいか?)
実は駆け落ちした一人娘の忘れ形見、遮那王クンに密かに会いに来た感じ…

しかし遮那王の高橋希クン、学校の朝礼で貧血起こして倒れそうなタイプ…、です。
(姿勢悪いし…

そんなひょなひょなで平家を倒せるんですかぁ~、とツッコミ入れたくなった、まり子。
なんかモッタイナイではありませんか!
で、後シテの白頭の大天狗は、前シテのお父さんっちゅうか、
さらにその大企業の創業者ご登場、って印象でした。
コワクない、優しい優しい大天狗。
白頭だと、登場時は鹿背杖(山姥なんか持ってるT字型で蔦の絡まってる白い杖)を持ち、途中で遮那王の長刀を借りて「舞働」し、それをまた遮那王に返して今度は天狗の羽団扇を持つ、という忙しさ。
これが別会とか、特別の会だと、天狗揃いで橋掛リに7人ぐらい?天狗が並ぶんだろうな~。
とか想像しつつ、しっかりと堪能した、まり子…。
楽しかったです~。
あ~、今回は来てヨカッタ~

次回の月並は…、10月かな~。
(モチロン、辰巳満次郎様

