第三回「満次郎の会」まで、あと27日となりましたっ!
さて今回の「葵上」バージョンでの脇正面のオイシイ楽しみ方ですが、ホントは辰巳満次郎様

ということで続きに参りたいと思います。。
上図をご覧ください。
こんどは「葵上」の時の宝生能楽堂の座席見取り図です。(やっぱりちょっと見難いか…)
ほほほ、ここにもオイシイ(かもしれない)ビューポイントを書き込んでみました。
ただ、忘れていました。夜の部が蝋燭能だということを…。
本当はこの図も蝋燭能風にできたらよかったんだけど、そんなことに凝りだしたら、
毎日記事更新、がアっという間に出来なくなります。
(今だってちょっと遅れがち…)
なので、拙いながら、文章でだけ、お伝えいたします。
(きっと辰巳満次郎様

★黒紋付&袴の能楽師達が、蝋燭に火を灯すところを良~く見よう!
夜の部は最初から、橋掛リから舞台を囲むように、黒?の燭台が並んでいるはずです。
休憩が終わって全員が着席したら(多分)見所が暗くなります。
すると黒紋付&袴の能楽師達が手燭を持って静かに現れ、舞台回りの燭台に静かに
火を灯してゆきます。
脇正面席は、ハイ、舞台(橋掛リ)に非常に近いので、その様子を間近に楽しむこと
ができるのです。
確かに、これから降霊会が始まるんだなぁ~、って雰囲気を味わえるのであります。
★夜の部でも辰巳満次郎様

「葵上」では最初に照日巫子が登場し、ワキ座に着席します。それからワキの大臣。
(脇正面からよぉ~く見えますね♪)
シテの六条御息所@スーパーウルトラ大魔神の辰巳満次郎様

照日巫子が呪文を唱え(謡い)出してからです。
それも!今回は「梓之出」の小書付き!
だから、照日巫子が謡い始めたら、揚幕のあたりにも神経を集中させましょう!
小鼓の刻む不気味?なリズムに気を取られていると、いつの間にやらおシテ登場してしまうのです。
夜の部でも辰巳満次郎様

そして、昼の部の「紅葉狩」とどう違うのか、ぜひとも確認していただきたいトコロ…。
ふっふっふ、こんな楽しみがあるのも脇正面ならでは!
昼夜チェックしたいものですね!
★六条御息所の打擲シーンを見逃すな!
当代一の貴婦人である六条御息所は、周囲もモチロン自分もその自覚と自負がある女性。
だからこそ自分で意識していないところで生霊になっちゃって登場するわけです。
照日巫子はそこらへんを訴えて御息所を鎮めようとするワケですが…、だんだん激昂してきて…。
ついには寝ている葵上(ただの着物ですが…)を扇で打擲するのです。
さ、ここも脇正面ならでは、ですね。
シテを真横から、その打擲シーンを見られる訳です。
脇正面は、まさに脇から見るので、正面からでは失われがちな奥行きある前後の動きをハッキリ見ることができます。
横から見た方が、迫力ある打擲シーン(つまりメッタ打ちですね!)が見られるのです。
見逃してはなりませんゾ!
★壺織を脱ぐ瞬間を見逃すな!
打擲シーンが終わると、舞となります。
この舞は全体的に恨み言ではありますが、
シテ謡いを挟んで前半は、正妻で源氏の子供を産む葵上への羨ましさ妬ましさを、
後半では源氏の愛を失った自分の悲しさにも増して世間の噂になってしまった恥ずかしさを、
舞いで表現するのですが…
最後には葵上の命を奪おう(魂を一緒に連れてゆこう)とするのです。
まさにこのシーンでは、扇を投げ捨て、一番上に壺織に着付けていた唐織を
中から手をいれて一瞬で脱ぎ、それを頭から被って後見のところに引きさがります。
このシーン、ほんの一瞬だけど脇正面寄りで展開します。
地謡も謡いどころなので、迫力ある謡が展開されるハズ…。
この謡の詞章になったら目を凝らして舞台に注目よ!
夢にだにかへらぬものをわが契り
昔語りになりぬれば
猶も思ひは増すかがみ
其面影も恥ずかしや
★後見座で後シテの準備をする辰巳満次郎様

唐織を被って後見のところに下がった辰巳満次郎様

つまり、女の鬼、になるべく面を、泥眼から般若に掛け替えをいたします。
その時、被っていた唐織をテントのようにして、中で面を掛け替えるのです。
(着替えはナシ)
モチロン、脇正面からでも中身は見えないようになっています。
しかぁし、それでもじっくり観察しましょう!
何がきっかけで初めて後シテとなって舞台にカムバックするのか、お見逃しなく!
★横川小聖@モリツネ師のご登場をがっつり見よう!
辰巳満次郎様

脇正面は橋掛リに最も近いので、チャーミングなチョイ悪?ワキ方、森常好師をタップリとチェックしてくださいませ!
モリツネ師の魅力はこちら(①・②・③)で確認!
このポッドキャスト聴いてくださいね。
★ズバリ!六条御息所の生霊と横川小聖の対決(イノリ)は脇正面席がオイシイ!
最後にして最大の見どころは六条御息所の生霊と横川小聖のバトル!
いやいや調伏ではなくて鎮めの呪文で、六条御息所を救うのです。
もちろん、メイン会場は中央舞台となりますが、
橋掛リもタップリ使ってのせめぎあい!
揚幕の直前まで追いつめられた六条御息所の生霊が盛り返して、また中央舞台に戻るところなんて、脇正面席が一番近くでタップリ楽しめるところ!
今なら、橋掛リにごく近い席も選べますゾ!
橋掛リ近くに陣取って、蝋燭の明かりに浮かび上がる
オカルトな世界を楽しもう!
