昨日の続き、参りましょうか。
「佳名会・佳広会」は例年の今頃、宝生能楽堂で開催されていたと思ってましたが、今まで興味はあれど行くチャンスがございませんでした。
しかし、昨年にたまたま高安流大鼓方柿原(崇志&弘和&光博)師の合同の記念同門会に出演する知人がおりまして、大鼓の同門会(つまり素人の発表会)を観にいくチャンスを得ました。
これがオドロキの内容でした~。
主役は発表会に出演する大鼓をお稽古している方々なんですが、何とか無事に勤められるように、チョ~豪華&チョ~一流の方々ばかりが全面バックアップ!
モチロン、一流のプロなればこそ手抜きなんて一切しません。
シテ方だって観世&宝生&喜多…、バラエティに富んでいてます。
だからつい主役をさしおいて「オイシイな~」と思い、味をしめたまり子…。
「佳名会・佳広会」さん、ありがとうございます!
謹んで、楽しませていただきました!
さて本題に戻ります。
まり子としては、メインは「文月能」に行くことでありました。
「佳名会・佳広会」は午前中に和久荘太郎師が出演する、ということでしたので、行ってみようかな~、程度のノリでしかありませんでした。
なので、当然必要メンバーのはずの地謡は誰が勤めるんだろうとかを全く考えていなかったので、ダッシュで着席して地謡メンバーを確認したときの衝撃!

同時にココロから「10時に来てヨカッタ~


まり子が拝見した演目と出演者(宝生のみ&敬称略)は以下の通りです。
舞囃子「熊坂」 和久荘太郎 武田孝史/朝倉俊樹/辰巳満次郎
舞囃子「小塩」 朝倉俊樹 武田孝史/辰巳満次郎/和久荘太郎
「景清」 武田孝史/辰巳満次郎/和久荘太郎
舞囃子「花月」 朝倉俊樹 亀井保雄/辰巳満次郎/和久荘太郎
舞囃子「山姥」 武田孝史 大坪喜美雄/辰巳満次郎/和久荘太郎
連調 「大原御幸」 大坪喜美雄/朝倉俊樹/和久荘太郎
舞囃子「邯鄲」 辰巳満次郎 亀井保雄/武田孝史/和久荘太郎
「絃上」 武田孝史/朝倉俊樹/和久荘太郎
舞囃子「桜川」 辰巳満次郎 武田孝史/朝倉俊樹/和久荘太郎
どうです。
リッチでしょう~、ゴージャスでしょう~。
省略しましたが、「熊坂」と「小塩」の間には観世の「班女」が入りました。
このあたりはまだ余裕のヨっちゃんだったのですが、「小塩」から「絃上」までは宝生オン・パレード、席を立てません!
「絃上」の次に観世になったので、そこで水道橋に移動しようとしていったん外に出たのですが、受付で進行を確認させてもらうと、まだ「桜川」の辰巳満次郎様

トイレ&チケット交換を済ませてから、あわてて見所に戻りましたの。セーフ、でしたっ
和久荘太郎師の「熊坂」はモチロンよかったです~。
辰巳満次郎様


しかし、特筆すべきはその「熊坂」の大鼓を打った鶴田航己クン(11歳ぐらいか?)です。
なんとこのコは、この後「文月能」のキリ番「船弁慶」の義経役の子方で出演したのですっ。
最初は(満次郎様

オトナ顔負けですっ。素晴らしい~!
(トコロドコロは後見の亀井広忠師がサポートしてましたが、ほとんど独りで頑張ってました!)
カレは、宝生流のシテ方になるか葛野流の大鼓方になるか、思案中らしいです。
こういう子供がいるから、日本もまだまだ捨てたもんじゃないですねっ。
そしてその他の演目も素晴らしかった!
もうもう、地謡なんてさ、このまま「月並能」で出して欲しいぐらいでしたわよ~。
お腹の底から堪能しましたぜっ!
ああ~ん、このままずっとこの謡を聞いていたいっ。
「景清」、サイコ~でした。(スミマセンが、大鼓は全く耳に入ってません。)
そして、辰巳満次郎様

鳩羽鼠色と思しき紗?の紋付にお召替えして登場なすった満次郎様

キャ~、ステキ~、カッコいい~

こういう中間色もお似合いですわ~

さて「邯鄲」は舞囃子としては長い部類に入ると思うんだけれど、なんだかやけに短く感じました。
一昨年の第1回「満次郎の会」の演目だったと思うと、あの時の記憶と今この瞬間に素で舞う満次郎様

おおっ?
袴になんと汗が落ちてます!
気づけば紋付の胸元・襟元が汗で濡れています!
きっと第1回「満次郎の会」の時も、装束の下はこんな風に汗だくだくだったんでしょうね~。
この満次郎様ず滝汗に萌え~

最後に盧生がベッドに飛び込むところはどうするのかな~、と思ってみてたら「猩々」みたいに扇をかざして眠るポーズになってました。
そりゃそうよね~。
で、この「邯鄲」で満次郎様が

曲に合わせた扇を選んだんだな~、とうっとり…。
次の「桜川」では、紗?の黒紋付にお召替え。モチロン袴もお召替えです。
扇は白地?に柳の葉が組み合わさったような五雲、に見えたんだけれど、ベタに桜の柄じゃないところがまたオシャレ~。
(クソ~、双眼鏡を持ってくるべきだったぜ…。)
「桜川」はクセ&網ノ段という組み合わせで舞事はない曲。
お能だったら網を持って出て、脇正面で(舞台外の)川面に浮かぶ桜の花びらをすくう振りがあるんだけど、満次郎様

それを見ながら、まり子も「網ノ段」をお稽古するときにはあんな風にやってみたいな~、でも大股にならず小走りにならず曲に遅れずに中央までもどれるかしら、と考えてしまいましたよ。
いや~、一日に二番も辰巳満次郎様

(100倍でも足りないかな~、地謡もいっぱい聞けたしぃ~。)
あああ、この会を最後まで観たい!と思いつつ、本来の目的である「文月能」を観る為に、席を立って宝生能楽堂に向かったまり子でございます。
