いよいよ第2回満次郎の会も、間近に迫ってまいりましたね。
ワクワク o(^-^)o
さて。お久しぶりの記事は、「レクイエム・プロジェクト」のレポートです。
感動のあまり、ちょっぴり長くてすみません。
◆2010年11月7日(日) 会場:浜離宮朝日ホール
TOKYO 2010 レクイエム・プロジェクト~いのちを見つめて~
出演 上田益ほか
創作能舞 辰巳満次郎(作、監修)「光明」~本邦初公演~
この日は、宝生能楽堂(水道橋)では、辰巳満次郎師のお弟子さまの発表会、
「東京巽会・あまねく会」が開催されました。
つまり、まり子さんの記事のとおり、能舞のシテを勤める山内崇生師ほかの
皆さまが、二つの会を掛け持ち出演するという、
“東京巽会・あまねく会&「光明」同時進行プロジェクト(?)”が、
密かに実行されていたわけです。
まる子も、それを体感すべく、ミーハーに追っかけちゃいました~ (^Q^)
午前中、宝生能楽堂にて、お弟子の皆さまの舞台を拝見し、
午後から築地の浜離宮朝日ホールへ参りました。
約550名収容するホールは、ほぼ満席の大盛況!
室内アンサンブルや合唱団の演奏、公募メッセージの朗読に続き、
能舞「光明」は、和と洋の芸術がコラボする独創性豊なものでした。
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シテ(主人公)は阪神淡路大震災で恋人を失った女性。
15年の歳月を苦しみ哀しみ続け絶望し、心乱れていたが、
希望を持って生きることが亡くなった恋人の意思と知り、
生きてゆく喜びを心に抱く。
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室内アンサンブルと合唱団、さっきまで能楽堂でお見かけした能楽師メンバーが
舞台に揃うと、張り詰めたような緊張感が漂います。
洋式ホールに黒紋付姿が映えて、妙にカッコいい~ (^O^)
おごそかなミサ曲のような、弦楽器とコーラスのハーモニーから始まり、
箜篌(くご)という古代楽器(ハープを小ぶりにした竪琴)の、
エキゾチックな音色が加わります。
そこへ、空気を切るような能管が響き、小鼓が単調にリズムを刻み、静かにシテが登場。
唐織の装束は袖を通さず、肩から羽織った姿に驚かされました。
謡の声色やお囃子の音色が、能楽堂とは違って聞えました。
和音階は微妙な揺らぎがあります。
能管の響きなどは、ピッチが狂ってる?ような感覚。
それがかえって新鮮に感じました。
シテが、はらりと唐織を脱ぎ捨てると、黒地に丸紋の縫箔を腰巻にした鬼女スタイル!
・・葵上や道成寺の後シテに用いられる装束です。
面(オモテ)は、神懸り的な狂乱した女の表情をした「増髪」です。
お能では観たことがない組み合わせですが、この雰囲気にピッタリでした。
心が狂乱する様子を美しく華麗に舞うシテ。地謡とお囃子が激しさを増し、
そこに弦楽器とコーラスの旋律と、
箜篌(くご)の神秘な音色が混ざりあって、
コンサートホールは、和と洋が入り乱れ、魂が彷徨うような異次元空間に……。
やがて、闇の中に未来への希望の「光明」が灯るのでした。
震災で受けた哀しみや苦しみは、簡単に癒えるものではない。
このような悲劇を繰り返したくない。繰り返すべきではない。
まして、戦争など絶対に起こしてはならない。
被災経験の無いまる子ですが、そんなメッセージを感じました。
実際に被災された方々は、どんな印象だったのでしょう。
ドラマチックな鎮魂の余韻を残し、約20分間の能舞は終了しました。
休憩時間にホールを飛び出し、急ぎ水道橋へ移動!
追っかけモード炸裂です。
(第ニ部は、パスしてしまいました。コンサート関係者の皆さま、ゴメンナサイ)
電車で約30分かけて、宝生能楽堂へ到着すると……。
なんと!さきほど「光明」を勤められていた皆さまが、
すでに舞囃子に出演しているじゃ~ありませんか~!~!(@_@;)
山内崇生師、辰巳孝弥師、辰巳和磨クン♪
そして、小鼓の大倉源次郎師。
皆さま何事も無かったように、勤めておられます。
まるで忍者のような早わざ~(笑)お見事!
なんだか、我が家に帰ってきたような安堵感です。
そして、お目当ての満次郎先生の番外舞囃子「通小町」を拝見しました。
間に合って良かった~ (^O^)
一同、付祝言で謡い納め、
“東京巽会・あまねく会&「光明」同時進行プロジェクト”も、
無事終了したのでした。
お疲れさまでした。めでたし、めでたし♪
来年、神戸で満次郎先生が自ら舞う「光明」は、
きっとすごいことになるでしょうね。
被災を受けた魂が共鳴して、和×洋の芸術による鎮魂の祈りの力が、
さらにパワーアップしそうな予感がいたします。
まる子
