続いては、記憶も新しい今年のGWに遷都1300年の奈良は斑鳩の地で再演になった、
辰巳満次郎様の「マクベス」について、ちょっと長いので、前編・後編に分けて
お届けします。
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開演前の舞台には、ホリゾントにこんな映像が浮かび上がっていました。
(これはイメージ再現の為に、チラシの写真を加工したもの♪)
着席するなりこの映像が目に入り、おお~スゴ~イ!
ひょっとしたらこのいかるがホールは最新の設備を備えたハイテク・ホール
なのか!と感動したのですが、 実は会議とかで良く使うプロジェクター!
が映し出していた映像だったのです。
残念、ちょとローテク、しかし効果は大きいぞ!
(開演直前にプロジェクターの映像を消して係員がそれを持ち上げて
移動させました。)
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新作能 「マクベス」
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シテ 辰巳満次郎(城守の老人・マクベスの亡霊)
ワキ 福王和登(旅の僧)
アイ 石田幸雄(異形の者) 高野和憲(マクベス夫人)
笛 杉市和
小鼓 大倉源次郎
大鼓 柿原弘和
太鼓 中田弘美
後見 石黒実都 辰巳和磨
地謡 山内崇生 野月聡 和久荘太郎 辰巳孝弥 澤田宏司 東川尚史
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例によって、最大のコストパフォーマンスを得る為に夜行バスで移動したのですが、
その移動の日の朝、これから仕事だっちゅうに、まり子は何故か鼻血ドバ~、
の流血事件が発生したのです。
それ以来、全く鼻血なんてでてませんが、アレはなんだったんだ…?
こうして、鼻血まで出して待ち焦がれた「マクベス」がようやっと始まりました。
記憶のみで勢いよく書いていた前の記事 と内容が大きく違ってたらどうしよう、
とちょっと不安でしたが、けっこう記憶が正確で、えっへん、良く憶えている
じゃん、ワタシ…、とちょっと自画自賛です。
(さすがに詞章はかなり違っていました…が。)
舞台に敷かれた橋掛リには松の代わりに、フットライトが置かれ、それが下から
斜め上を照らして、ほら、ちょうど懐中電灯を顎の下から上に照らして
「オ~バ~ケ~だ~ぞ~」っていうみたいな陰影が面に出来るの。
それがシテの苦悩をいっそう深く浮き彫りにするようで、これはホールならでは
のオモシロイ試みだと思いました。
能が始まると舞台上の照明もぐん、と落とされ、暗い深い森の中、という感じが
醸し出されます。
そしてやはり、憶えていたとおり、城守りの老人として登場した前シテは、
自ら(積極的に)お宿を貸し申さん、と言うのでした。
前シテの装束は、常のおじいちゃん(面は阿古父尉だそうです)の髪型ではなく、
僧侶が被る角帽子?のような頭巾を被り、両耳の前から長い白髪を一房ずつ垂ら
しています。ちょっと洋風?なんでしょうか?
で、ワタシは前半の記憶があまりなかったのですが、結構長く、ワキと相対して
正面に座って語ります。
そしてここがかつてはダンカン王の城だったこと、
「マクベスと申す臣下、王位を我が物のせんとの悪心にそそのかされ」
と概略を語り、 まことは我はマクベスの幽霊なるぞと言ひ捨てて、前半が終わります。
(で、この辺でだったか、先ほどのプロジェクターが、今度はスコットランドの
朽ち果てた古城を映し出しました。)
後編に続く。
まり子
