
三日間、太郎冠者(まり子)殿は、留守でござりました。
この横着モノ~

さて、天下のNHK教育TVにては時々、能・狂言番組を放送します。
18日の日曜日には山本家の狂言「呼声」があったのに、うっかり失念していて
見損ないました。
ちっ

この「呼声」というのは、サボって出仕しない太郎冠者の様子を見に行った主人と
次郎冠者が、バレバレの居留守を使う太郎冠者をあの手この手で、呼びかけて
引っ張り出す、というお話。あの手この手の部分が見所です。
アリリ?
と言うことは、まり子もこのブログをサボってて、バレバレの居留守だったかしら?
許させられい、許させられい

「呼声」はまり子の好きな狂言のひとつなのです。
ところで、まり子はちょっと前まで(どんなに野村萬斎が脚光を浴びようと)
狂言にちっとも興味が持てませんでしたが、最近は狂言にもそれなりの楽しみを
見出だしております。
ちなみに好みのイチバンは山本家@大藏流

山本家のかっちりした芸風が好きなのと、山本東次郎師の著書になるほど~、
と思ったからです。
特に「中・高校生のための狂言入門」(共著・近藤ようこ)なんて、
中・高校生よりも大人向けで、楽しめます。
中・高校生のための狂言入門 (平凡社ライブラリー―offシリーズ (530))/山本 東次郎

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しかし、山本家のキャッチコピー(失礼、家訓)が
「乱れて盛んになるよりは、むしろ固く守って滅びよ」というもので、
何だか「武士道とは死ぬことと見つけたり」みたいでカッコイイので、
これだけ独り歩きしちゃってる感があるような気がします。(これは編集者の功罪か?)
辰巳満次郎様の過去ブログ
(No.27 改めねばならないこと 崩してはならないこと 2010年2月25日)では、
多分このことをおっしゃってるんだと思いますが、
「伝承者の使命として「守って滅びる」などという発言は
先人にたいしても世の中に対しても、許せないものと考えます。」
とございました。
モチロン山本家の皆様も滅びて構わないとは露程も考えてはいらっしゃらないと
思うし、満次郎様がさらに続けて
「決して「崩してはならないこと」は「正しい能楽の伝承」」
と説明を続けておられることが真意であり、正反対の意味に取られかねない
誤解を受けやすいフレーズ!、と言う意味なんだろうなぁ、と思います。
(「情けは人の為ならず」みたいに!!!)
実際、正しい芸の伝承・存続と普及とが両立するのは非常に難しい、いや殆ど
ムリなんじゃないか、と考える時があります。
江戸時代みたいに幕府を筆頭に武家に保護された時代と違い、国の保護だって
危うい時代なんですから…。
しかし、京舞の井上流なんかは、祇園甲部という花街と結び付くことによって、
双方の付加価値を高めて成功?しており、こういうスタイルをビジネス・モデルとして
一考してもイイのかな~、なんて思います。
やはり、安定した地盤があってこそ色美しい大輪の花が開くのであって、
「貧すれば鈍する」の言葉通り、不休の普及で疲弊しては本末転倒だし、
持ち出しで何でもやり、さらにレベルを落とすな、というのは酷い話です。
それでさ、国が出し惜しみするなら、企業に非課税の「伝統芸能献金」を認めればいいのよ~。
さらに一定額以上の寄付に対しては、もっと何かの優遇措置があって、
逆に「政治献金」に課税にするの。
はっはっは!
どうだ~!
居留守を使っても、エアコンの無い部屋のあまりの暑さに、支離滅裂になったまり子です~。
許させられい、許させられい♪