※ブラックな創作話です 苦手な方はご注意下さい

前回好評?だった

大人の絵本シリーズ



今日はみんなが知ってる

このお話のパロディです




100万年も 合格し続けている 受験生がいました


100万回も 受験して 100万回も合格したのです



100万人の人が その受験生の挑戦をほめたたえ

100万人の人が その受験生が合格したとき喜びました


受験生は 一度も喜びませんでした


あるとき受験生は 大富豪の家の受験生でした


受験生は 大富豪なんて大嫌いでした


受験生の勉強は塾や家庭教師に任せきりでした


大富豪はいつもたくさんのモニターに囲まれ、忙しそうにキーボードを叩いていました


その年 受験生が最難関の学校に合格すると

大富豪は全部 自分の手柄のように喜び


息子が入学することで得た学閥で更にお金儲けをしました




あるとき受験生は 教育ママの家の受験生でした


受験生は教育ママなんか大嫌いでした


中学受験と帯のついた本は山積みされ、公園遊びもゲームも許されない監視と管理された生活にただ目の前の問題を解くだけでした



その年 最難関に合格すると

教育ママは 今度は難関大受験に向けた塾と有名英語塾へ入塾の手続きを済ませました




あるとき受験生は 塾無し家庭の受験生でした


受験生は塾無し家庭なんか大嫌いでした


塾無しで中学受験を目指していることが珍しいので友達には言えませんでした

モチベーションはあがりませんでしたが、親に言われるがまま市販の問題集をやり、模試を受けました


難関校に合格すると親はいかに費用対効果がよかったかを自慢してまわりました




あるとき受験生は誰の受験生でもありませんでした


小学生だったのです



受験生ははじめて普通の小学生になりました


好きな時に公園に遊びに行き

好きなだけゲームをしました


受験生ははじめて自分が好きになれました


たったひとり


勉強しろと言わないお母さんがいました


受験生は

おれは100万回も難関校に合格したんだぜ

と言いました


お母さんは

そう

と言ったっきりでした


受験生は

少し腹を立てました

なにしろ自分が大好きでしたから


次の日も

お母さんに

あなたはまだ1回も難関校合格の喜びを知らないんだろう

と言いました


お母さんは

そう

と言ったっきりでした


ある日受験生は

お母さんの前で 3回灘中の過去問を解いて言いました

俺は 三冠とったこともあるんだぜ


お母さんは

そう

と言ったっきりでした


おれは100万回も…といいかけて 受験生は


そばにいていいかい

とお母さんにたずねました


お母さんは「ええ。」と言いました


受験生は勉強しろと言わないお母さんに甘え

それから一度も勉強せず

なんの検定も受けず


学校に行くのも面倒くさくなって家でオンラインゲームばかりして遊んで暮らしました



楽な方楽しい方に流れて生きました

お母さんはおばあさんになり

住む場所に困っても生活が苦しくても

中年になったのにゲームばかりしている受験生を一度も責めませんでした

年金をぜんぶ 中年になった受験生が課金してしまっても

一度も責めませんでした


中年になった受験生は ゲームで課金するために

お母さんにいつまでも生きていてほしいと思いました


ある日お母さんは静かに動かなくなっていました

中年になった受験生は

100万回舌打ちしました


朝になって夜になって 

ある日のお昼に舌打ちをやめました




中年の受験生はしずかに動かなくなりました




そして もう けっして 生き返りませんでした





おしまい


2025組2月1日受験まで

710日



目がハートいつもみにきてくださりありがとうございますお願いキラキラ

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