これは人に渡したくない、と思うものがある
それを気がついたら持ってたり、
いつのまにか自分の中に湧いていたり
する

これは人に渡したい、
と思うものもある

音楽は常にあらゆるものを内包している。
だから時として美しいのかもしれない。
音楽をやるために、楽器はほんとは何でもいい。なくてもいい。あってもいい。
私はたまたまヴァイオリンを選んだ。

音楽をやるために、ジャンルはほんとは何でもいい。なくてもいい。あってもいい。
私はたまたまアラブ音楽を選んだ。

久しぶりに、ビブリオマンシーした。

盲点は視点を動かせば盲点でなくなる、という言葉を読んで、
もう一度お伺いたてたところ、

「存在が本来持っているものが
なんのこだわりもためらいもなくあざやかに外に現れて
それが外の世界とぴたりと調和している、
そこに、美しさがうまれます。
自分以外のものになろうとしないときに生まれる、
誰も文句の付けられない、完全な美しさです。」

という素晴らしい一文が開かれた。

今日オリエンタルミューズでみた踊りは、
久しぶりに純粋にお客としてたっぷり見た踊りだったんだけど、
何度か、ダンサーが出て来てそこにただ立ったのを見て、じんと胸が熱くなった。
そのことを、この一文で、
思い出した。

誰が上手いとか、誰が誰より美しいとか、
そういうんじゃない、
何かが、
これまであちこちでみた美しいものを、数珠のように繋げて、
その一番最後に今日通した一粒、みたいな感じの夜。
時々こんな風に、ぱーっと過去がつながって、そして今一粒が加えられた、そんな瞬間があるけど、
今日もソレを感じた。
ミューズとは、ソレ、なのだなという事がわかってしまって、
すごいイベントやってくれるわねぇ、と驚いた。

美しい女性を見た、というより、美しきものがあった、という夜。
その美しさは、誰かを蹴落とすものでなく、全てのものをつなぎとめるもの。

私はそんな数珠つなぎの一粒一粒だけを、これからもずっと集めて、自分につなぎ止めていきたい。

今日の夜の月も、丸く輝く一粒だった。