危機感が人を強くするし、タフにするし。 | マニンゲンメンバーのブログ

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なすすべなき劇団「マニンゲンプロジェクト」のマニンゲンメンバーが綴るブログです

小学生の頃、姉は友達からビデオを借りるも、それを見ずに、見たことにして返していたらしい。

と言うのも、我が家にはビデオがなかったのである。

ビデオが凄い勢いで普及しだしていた頃だったと思う。

たぶん、俺は小学校に上がる前の話かな?

姉のクラスメートの大半がビデオを持っていて、見れなかったテレビ番組、ドラマなんかを摂り合って、貸し合うみたいなシステムが仲間内でできていたらしい。

「昨日、あのドラマ宿題してて見れなかったわー」

『私、ビデオに録ってあるから貸してあげるー』

ってな具合で。


どうでもいいけど、最近は「巻き戻し」って言わないらしいね。

「早戻し」らしいです。

ビデオやカセットを知らないCD、HDD、DVD世代からしたら「何を巻くねん?」ってことでしょう。


まだ、テレビ番組、テレビドラマがめちゃくちゃ力を持っていた時代の話。

80年代90年代のトレンディドラマが炸裂していた時のことでしょう。

友達の中で、流行のテレビ番組やドラマを見ていないなんとことを言おうもんならハブられるくらいの勢い。

なので、そのテレビが面白いか面白くないかと言うよりは、ハブられたくないから見てる、という意識のほうが強かったのではないでしょうか。


で、うちの姉ももちろんそんな感じだった訳さ。

なので、友達と話を合わせるために、話の流れでビデオを借りて、見たことにして返す。

そんなことをしていたらしい。


でもね。

この感覚って結構大事だと思う訳。

人に合わせるというかさ。

ただただ、馬鹿みたいに流行もんに乗っかるということともちょっと違うような気もする。

見てないのに、見たことにする、知ったかぶりともまた違うと思うし。

とりあえず「その友達から見れもしないけどビデオを借りる」というところ。

ココに、上手く言えないけど、何かいろいろエッセンスが詰まっているような気がします。


その後、姉が親父に泣きついて、10年分のクリスマスプレゼントでいいからビデオを買ってと頼み込み、ビデオは我が家に来ることに。

その頃に録っていたビデオテープが実家に結構残っています。


で、まぁ、思うのはそれって友達がいる人の話だよねと。

友達がいなければ合わせるもクソも無い訳で。

人生を振り返ってみても、そういう危機感のような感覚からテレビを見るであるとか、流行りもんに手を出すとか、そーゆーことって全くなかったなと思う訳さ。


自分の世代で言ったら、スーパーファミコンとか携帯電話がそうかな。

スーファミは5年から6年か、それくらいの時に親戚の人が買ってくれたけど、携帯電話なんてもろそう。

中学校でポケベルが流行り、高校で携帯が爆発的に普及。

俺が高3のとき、学校調べによると、95%生徒が携帯を持っていたらしい。

もちろん自分はその5%。

やっぱり、当時はそれこそ皆持ってるから、持ってないと友達と連絡取れない、メールできない、交流できない。

もっと言うと携帯がないと友達ができない。

そんな勢いだった訳さ。

そんな中、自分はと言うと携帯がなくても全く困らないような高校生活を送っていたので、何の支障も無かった訳なのです。

たまに同級生から「電話番号教えて」と言われたりもあったけど(当時はメモリに何件入ってるかがステータスみたいなところもあったから)、

『0745、、、』と実家の電話番号言おうとすると、「えっ!?」と驚いた顔されて、「それならいいわ」と、結局登録もしないということもあり。


だからと言って、今になって、あの頃携帯電話を持っていれば・・・なんてことはこれっぽっちも思わないし、もっと周りに合わせていろいろテレビ見たり、何なりしておけば良かったなんてことは思わないんですけどね。


最近になって、俺は何故子供の頃に流行っていたドラマとか音楽とかを知らないんだろう?とふと思ったんでちょっと振り返ってみました。