不思議な人 | マニンゲンメンバーのブログ

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なすすべなき劇団「マニンゲンプロジェクト」のマニンゲンメンバーが綴るブログです

ほぼ毎朝見かけるサラリーマンがいる。このサラリーマンが何か凄い。毎朝寸分も違わない寝ぐせを携えて出勤しているという、寝ぐせを治さないというズボラさの反面、寝ぐせですらいつも通りでないと嫌だ! という几帳面さも持ち合わせている。そしていつも口が半分開いている。

そしてこの人のメガネは左側が割れている。ヒビが入っていて、しかも耳にかけるあの針金の部分はセロテープで補強してある。何が凄いって、それをちゃんと直す気が一切見られないことが凄い。そんなメガネを掛け続けるのは、おそらく核戦争後のアナーキーな世界にしかいない。はず・・・なのに、普通に、いた。う~ん、でもたまにいるよな、こういう奴って・・・と思い、気にしないようにしているのだが、今朝ふと思った。こういう人を仕事で雇い続ける会社ってどんな会社よ? と・・・。むしろ凄いのは雇い主の方なんではなかろうか? と・・・。いつも同じ寝ぐせでメガネが割れてて、いつでも口が半開きの社員は俺なら絶対に雇いたくない。多分もう何十年も「養老の瀧」を「えびのりゅう」と読んでるに違いない。


しかし・・・ふと思った。


そして全ては繋がった! なぜ彼がメガネを直さないのかが!




多分あのメガネは上司に殴られて壊れたものだ。そりゃ殴りたくもなるだろう。何といっても「えびのりゅう」なのだから。初めの頃は直していたに違いない。でも直してもしばらくするとまた殴られて壊れる。そんなことを繰り返してるうちに、どうせまたやられるから直さなくてもいいや・・・となったのではないだろうか? それに壊れているメガネを掛けていると意外と殴られないような気がする。あのメガネは彼にとってのセルフディフェンス・フォースなのに違いない。



などと思ったら、泣けてきたぜ・・・。




口、開いてるよ・・・と、いつか言ってあげたい僕でした。



さようなら