カポーティ23歳の時の初長編だそう。
半自伝的な小説とあったのでそのつもりで読みましたが・・・
どちらかというとゴシック小説??
確かにカポーティの少年期の境遇とかさなるところもあるものの
リアリティのあるお話ではなかった。
短編「花ざかりの家」でも感じていたのだけれど、
ラテンアメリカの小説を読んでいるよう感じ。
もっと言えば、ガルシア・マルケスみたいな。
で、そこからどことなく湧き上がるおかしみというか
滑稽さを除いたような印象でした。
全体のトーンは薄暗い。
こういう小説は理解することが目的ではないような気がするけれど
今回は眠くて眠くて、うとうとしながら二晩かけて読んだせいなのか
どうもそういうわからないなりの世界を楽しむことができず、残念。
比喩や韻が多用されていて、それがまた独特の美しい世界を醸し出している
とのことでもありますが、このあたりも今一つ堪能できなかった。
本もその時の体調やら環境で頭や心に入ってくる形が異なるので、
また別の機会には心打たれるかもしれない。
そういうわけで、これは改めて読み直すことにします。
もちろん再読しても変わらない場合もあるだろうけれど、
それほどの分量でもないしね。
とりあえずカポーティ週間の始まりです。
原題は「Other voices, Other rooms」。素敵な日本語になっていますね。
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