「わらの女」 カトリーヌ・アルレー | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.




久しぶりのミステリ小説です。

戦争で何もかも失った34歳のドイツ人女性・ヒルデガルデは、翻訳で細々と生活を立てているが、
この状況からなんとしても脱したいと思っている。
新聞記事ではいつも配偶者を求める記事をまず読む、今よりもはるかに良い生活をさせてくれる
相手を求めて。
ある日、大富豪の花嫁募集の記事を見つけ応募し、いくつかの関門をくぐりぬけ花嫁候補者となる。

見事に花嫁の座を射止めるヒルデガルデだったが、綿密に仕掛けられた罠により
八方塞がりとなり、追い詰められていく・・・。


初出から半世紀以上も経っているので、事件としては今なら成立し得ないとは思うけれど
登場人物も少なく、文章も淡々としておりとても読みやすかったし、次がどうなるかと
気になって、あっという間に読み終えることができました。
一言、面白い~!!です。

ヒルデガルデを打算的とか虚栄心という言葉であらわす方が多いようですが、
戦後の厳しい時代、貧しさや虚しさから救われることを望むのは、それほど否定的な
言葉で表現されなくても良いのでは、と思いました。
私自身は誰かの力を頼って・・・という感覚は持っていないので
彼女に共感はできませんが、そう思います。
本人は決して犯罪を計画していたわけではなく、桁外れの楽な暮らしができるなら
相手に問題があろうとも耐えようと決意していただけのことですから。
思慮不足で浅はかな女性ではあるけれど。

何度か、怪しげな指示についてはターニングポイントもあったはずなのだけど、
結果彼女がにっちもさっちもいかなくなるような罠にかかってしまった。
単に自分がコマにすぎなかったと知ったときの絶望感はいかばかりのものだっただろう。
そんな彼女に対しての真犯人の冷淡さはかなりのもの。
個人的に恨みがあるわけでもない相手にここまで冷酷になれることに驚くばかりです。
非常に冷徹で、まさに悪魔のよう。
私にはこのヒトの感覚が一番衝撃かな。


1つ言うならば、世界一と言ってもいいくらいの資産家の生活についての描写は、
ちょっと不足気味かな。
大きいとか立派とか高価そうとか、そんな言葉だけで済ませてしまっていて、
ゴージャス感がほとんど感じられなかったのは確か。

でもこれだけの時間を読み継がれてきただけのことは確かにある作品だとは思いました。


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この小説、映画にもなっていますし、ドラマにも結構なっているみたいです。
すごくドラマ向けの内容なのは確かですね。

6~7年位前の昼ドラにも、やはりこの作品をベースにしたドラマがあり、
ある日たまたまこれを見た私はすっかりはまってしまい、ほぼ3ヶ月の間、
どこにも出かけず毎日毎日見入っていたことがありました。
ランチのお誘いもすべて断ってしまっていました~!!
当時、中学生だった息子も一度見てすっかり気に入ってしまい、
夏休み中の部活から毎日走って帰ってきては一緒に鑑賞していました。
そう、夏から秋にかけてだったな・・・多分。

最後の頃はついに2ちゃんの実況版を見ながら見ていたのですが、
最終日のスレッドは「これで就職活動ができます~!!」なんていうものが
たくさんあって、まあ仲間だわ・・・と思わず笑ってしまいました。

実際には「わらの女」だけではなく「太陽がいっぱい」などの要素も
入っているように見えました。
最後はちょっと昼ドラ的なややチープな終わり方でしたが、
脚本家の方が仏文関係の方だったせいか、全体的には
私のイメージしていたドロドロ昼ドラマではなく、
とても洒落た感じの作品でした。
DVDボックスは今でも買いたいな~と思っています。



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