「風の歌を聴け」村上春樹 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


読書メーターがとても便利なのは、読んで記入した記録が残ること。
前回は2011年に読んだらしく、今回が4度目になるよう。

このところ疲れ果てていたので、未知の作品を新たに読む気力もなく
村上作品の再読ばかりだったけど、ここ数日これがどうしてもどうして
読みたくなって、また新たに購入してしまった。

1979年の作品だそうだから、もう35年前に発表されたことになる。
その後の作品のほとんどに通じるものがあるなあ、と改めて思う。
ストーリーよりもメッセージ重視のような感じで、村上作品に不慣れな頃
読んだときには、翻訳もののような印象の文体であったこともあり
多分違和感をずいぶん持ったのじゃないかと思う。(もう覚えていない)

初読から多分4,5年経ち、村上作品(翻訳も含め)も、他作家の作品も
それなりの量を読んできた今、再び読みなおしてみると、
ものすごく癒されるというか・・・まあこれは疲れ果てた今の
心境だからかもしれないけれど・・・読書中も読後にも心地よさを
ものすごく感じた。

多分、文学作品としての構造みたいなものを探っていけば
この作品の深みみたいなものが、もっときっちりとわかるのかもしれない。
ただその手法を私は知らないし、そういうことにはあまり興味がないので
それはしないけれど。

村上春樹はハードボイルド作家に分類されることはないと思うけど
ワタクシ的にはこの方、かなりハードボイルドな作品を描く、
ご本人自体もハードボイルドなお方だと思っています。
一見、ニヒル(古い?)でもあるけれど、そうではないことは
エッセイや、作品のあとがきなどで垣間見えます。。。
多分、実際の作品と、ご本人が持つ繊細さや、あがきみたいなものたちとの
ギャップに対しての共感を、私の場合は持つようになったのだと思います。

最初の頃は、そういうクールな印象から、冷たい人間なのかもと
思ったこともあったけれど不思議なものですね。

今日は、とにかく一刻も早く読みた~い!の一心で、速読してしまったけれど、
近々今度はゆっくりじっくり読み直す予定です。

とりあえず、ここ数日の欲求を晴らすことができて満足。


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