先々週、インフルエンザに見事に罹患してしまい、
一週間仕事を休んだその後半、体調が戻りつつあった時期に
これ幸いとばかりに、久しぶりに再読しました。
本当は全19巻なのですが、最終巻が見当たらなかったのが残念無念。
無知がゆえに、借金まみれになっていく親子や
真面目な人生を送っているのに、世話になった上司の連帯保証人に
なったがために、家族や恋人まで巻き込んで不幸になっていく経営者をはじめ
たくさんの人生模様が描かれています。
そして彼らと関わっていく、貸金業者の灰原達之の成長物語でもあります。
はじめて絵を見た時には余りにも強烈で、びっくりしてしまったのですが
家にある活字は読まないと気がすまないので、手にしてみたところ
面白くてやめられず、結局全巻揃えるに至りました。
面白いというか・・・衝撃的なのですね。
私、実をいいうとたとえば借金をして、なにかの事情で
返済が間に合わなかったら、相手も人間だしはなせばわかって
もらえるものと漠然と思っていたのですよ・・・恥ずかしながら。
でも、これ読んで認識の甘さに我ながら呆れてしまいました。
ほんとうに身ぐるみはがされてしまうのです。
たくさんの興味深いエピソードが出てきますが、
一度は挫折したものの、不屈の魂で脱却を試みる若き地上げ屋の話などは、
ため息付きたくなるような物語の多い中、希望があったというか
そのたくましさやひたむきさが、私はとても好きでした。
先日、ライブ帰りに乗ったロマンスカーの中、通路を挟んだ席で
二人連れのひとりが「リボ払い月8万円」と言っていて、
さらに年末の海外旅行費用とその小遣いも借りていくのだそうで
呆れてしまいました。
連れの男性も「バカじゃね~の!?」と答えていましたが
「気分が良くてやめられない」ということでした。
最近は、有名俳優やかわいいモデルさんなどを使ったCMだったり、
ネットで簡単にお申し込み!とか、キャッシングなんて呼び名にして
全面的にソフトなイメージを打ち出していますが、要は借金。
ああいうのってどうなのかな・・・と思う今日このごろです。
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