「ナニワ金融道」1~18巻 青木雄二 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


先々週、インフルエンザに見事に罹患してしまい、
一週間仕事を休んだその後半、体調が戻りつつあった時期に
これ幸いとばかりに、久しぶりに再読しました。
本当は全19巻なのですが、最終巻が見当たらなかったのが残念無念。

無知がゆえに、借金まみれになっていく親子や
真面目な人生を送っているのに、世話になった上司の連帯保証人に
なったがために、家族や恋人まで巻き込んで不幸になっていく経営者をはじめ
たくさんの人生模様が描かれています。
そして彼らと関わっていく、貸金業者の灰原達之の成長物語でもあります。

はじめて絵を見た時には余りにも強烈で、びっくりしてしまったのですが
家にある活字は読まないと気がすまないので、手にしてみたところ
面白くてやめられず、結局全巻揃えるに至りました。

面白いというか・・・衝撃的なのですね。
私、実をいいうとたとえば借金をして、なにかの事情で
返済が間に合わなかったら、相手も人間だしはなせばわかって
もらえるものと漠然と思っていたのですよ・・・恥ずかしながら。
でも、これ読んで認識の甘さに我ながら呆れてしまいました。
ほんとうに身ぐるみはがされてしまうのです。

たくさんの興味深いエピソードが出てきますが、
一度は挫折したものの、不屈の魂で脱却を試みる若き地上げ屋の話などは、
ため息付きたくなるような物語の多い中、希望があったというか
そのたくましさやひたむきさが、私はとても好きでした。

先日、ライブ帰りに乗ったロマンスカーの中、通路を挟んだ席で
二人連れのひとりが「リボ払い月8万円」と言っていて、
さらに年末の海外旅行費用とその小遣いも借りていくのだそうで
呆れてしまいました。
連れの男性も「バカじゃね~の!?」と答えていましたが
「気分が良くてやめられない」ということでした。

最近は、有名俳優やかわいいモデルさんなどを使ったCMだったり、
ネットで簡単にお申し込み!とか、キャッシングなんて呼び名にして
全面的にソフトなイメージを打ち出していますが、要は借金。
ああいうのってどうなのかな・・・と思う今日このごろです。



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