「スペイン語とつきあう本」 寿里順平 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


大学で西語を専攻されたわけでもなく、しかもラテンアメリカ寄りの変わり種・寿里順平先生。
一時期は交流もありましたが・・・相変わらずお元気そうで何よりでした。

私自身はスペインで学び、ラテンアメリカで生き・・・という状況で過ごしてきましたが
どうしてもスペインのスペイン語にこだわりがあります。
ま、ラテンアメリカが気に入らなかったと言うのが正直な理由でもありますが。
先生のおっしゃる、スペインのスペイン語・・・それもCASTILLANOこそが
最も正しいスペイン語とされる風潮も、ラテンアメリカ出身のスペイン語教師が
圧倒的に少ないことも私なりに理解できます。
が、私はスペインに行きたくて習い始めたのだからスペイン寄りで仕方ないな。

スペイン語教授としての視点から、学校や生徒に対しての歯がゆさや
イライラ感も垣間見えてなかなか興味深く読みましたが、
おそらく第2外国語としてスペイン語を選んだ学生たちが相手だったり
また第2外国語としてしかスペイン語の選択肢がない学校であれば
「やっぱりスペイン語ならスペイン人でしょ」となるのは仕方ないような
気もします。
でも、先生のこのバイタリティは素敵ですよ。

ほかにも人名の由来などは私好みのコダワリで面白かったし、
キリスト教国で暮らす上で欠かせない、聖書・聖人の話題に
多くのページを割いていたのもとても良かったですね。
小説と違って感想は書きづらいけど、いい本読めたなと思います。

そうだ、もうひとつ先生が試された上で辞書評価も良かった。
私がスペイン語を始めた頃は、辞書も白水社と大学書林のものくらいしかなかったし
初級文法の本だってほとんどなかった。
それを考えると、今はスペイン語もずいぶん認知されたんだなと思いもしますが、
基本はかわらないですね。

先生も文中でおっしゃっていたけど、スペイン語のキモはやはり
動詞の活用ですものね。
いい本いくら買っても、覚えて活用できないとダメなのさ~。
その昔から、条件が整っていなくても語学を身につけた方は
たくさんいるのだから・・・と、自分を戒める。
それでも情報が多いってことは迷える子羊にはありがたいことです。



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現在4冊の「西和辞典」を持っていますが、これはその中でも一番新しいもの。
ついつい使い慣れた白水社のものを多用していますが、
寿里先生がこの辞書をかなり評価していらしたのでしばらく
メインで使ってみようと思います。
もっとも、日本の辞書っていざとなるといろいろ不足やら偏りが多いんだよね・・・。
あ、足りないのは私の語学力と使いこなす力か・・・。


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