「銀河鉄道の夜」 宮沢賢治 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


こちらも秋ぐらいからぼちぼち読んでいた作品集。
久しぶりに手にとったら、電子書籍でもかなりの部分を
読み直していたので、残りを一気に読んでしまうことにしました。

これは昭和60年発行のものなので(当時の100冊の本のモデルは
若き日の小林薫さん。
キャッチコピーは「インテリゲンちゃんの夏休み」だったよう。
多分当時から挟んだままのチラシにありました。)
新編の作品集ではプラス3編がさらに加わっているようですが、
この旧版にも宮沢賢治の代表作の多くが収録されており読み応えあります。

やはり表題作の「銀河鉄道の夜」がとてもいいですね。
天上の国に向かっていく鉄道では、途中途中でたくさんの人々が
いつの間にか乗っていたり、いなくなっていたりします。
それはその人の心のあり方や、日々の行いによって選別されているよう。

終盤、船の沈没事故にあった家庭教師とその教え子である
幼い姉弟が同席してからの彼らとのやりとり以降が特に好きです。
何となくなじめずに孤独感に包まれるジョバンニの心情とか、
自分を省みて誰かの為に永遠に赤く燃え続ける蠍の話や、
そんな蠍のように誰かの幸いのために生きていこうと
カムパネルラとジョバンニが語り合うシーンなどは
何度読んでも感動せずにはいられないです。

同時収録された「双子の星」をはじめとして、全編に流れるのは
やはり無償の愛の貴さですよね。
聖書には有名な「狭き門から入れ」という一節がありますが
その部分を思い出しました。
単に信仰だけでは救われることはないのですね。



収録作品は全部で11編でしたが、新編ではさらに
3編が加えられ計14編が読めるようです。


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)/新潮社

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