「海街DIARY5・群青」 吉田秋生 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.


ようやく一昨日購入して一気に読んだ、待ちに待った1冊。

今回はちょっと内容が重くはありましたが、この方が描くと
くよくよめそめそ、どんより・・・そう言った感が残らないのが
不思議ですが、いつもながらの清々しい読後感。

人の死を描いたものはやはり人の涙を誘いますが、
そうして流した涙を感動と思うのはちょっと違うと思うのです。
いや、それも一種の感動なんだけど、なんだかそれで
わかったような気になるのはちょっと違うんじゃないかと。
同様に、描き手てもそういう涙涙の描写をすることで
感動させようと目論むべきじゃないだろうと。

私の好きな作家さんたちはそのあたりの描き方が秀逸なのですね。
死をはじめとした、人の感じる悲しみそのものよりも、
それとどのように対峙していくか・・・なんてところが。

というわけでストーリーには大変満足なのですが
気になるのが、吉田秋生の作画の状態です。
この本、当初からコメントでもデッサンがおかしいなどと
ご指摘いただいておりましたが、私もそう思うのです。
特にこの5巻は、これが吉田秋生の作品なの?という気持ちで
いっぱいでした。

妙に線が細くて、デッサンも曖昧。
キャラクターたちが絶句するシーンがかなり今回はありますが
それがどのキャラクターであってもへの字の口に、
大きく見開いた目を描くというパターンのみで終始していたことが
妙に気になりました。

私が少女漫画に求めるのは、ストーリーはもちろんのこと
やはり絵の美しさにもあります。
私自身は吉田秋生に関しては「ラヴァーズ・キス」以降の
あのクールな清潔感が何よりも好きなので、あんな感じで
行って欲しいですね。
もちろん進化や変化については受け入れることはやぶさかではありませんが、
今回の5巻は、進化というよりも残念ながら劣化という印象を
私は持ってしまいました。

これからかなりの長編になり、また吉田秋生の代表作となるのは
まず間違いのない名作だからこそ、なんとか持ち直して欲しいと思う一読者でありました。


この表紙の空の色がなんとも美しいですね。印象的。

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