「愛人(ラマン)」 マルグリット・デュラス | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

11月に再々々…読。

多分私が生涯付き合うことになるであろう1冊。

でも話の流れを遮るように一見無関連な出来事が筆者の脳内の
フラッシュバックのごとく、何度も唐突に出てきてかなり読み辛く、
また言い回しが難解で面倒な小説ではある。
が、冒頭の「18歳で私は年老いた」を含む印象的な数行と、
フランスに帰国する少女の乗る船を桟橋のリムジンが見送る場面から
終盤にかけての描写がたまらない。

特に最後の数行のパラグラフが最高に好きで、私にとっては
このラストにある彼の言葉を味わうためだけに
中盤の退屈に耐えつつ読み返している1冊と言っても
過言ではないと思う。

デュラスがこの少女時代から遠く離れた年代になってから
書かれたからこその作品なのかもしれない。
最初から最後まで大変にクールな視点と文体です。



愛人(ラマン) (河出文庫)/河出書房新社

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