「朗読者」   ベルンハルト・シュリンク | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

昨年はじめに読んで以来の再読です。

前回読んだときは全編涙ながらに読んだものでしたが、
今回はほぼ冷静に読了しました。
時期や環境によって読み方は異なるということを実感しつつ、
だからこの作品自体の捉え方もかなり個人差があるだろうと
思いました。

先ほど感想を書いた「17歳の肖像」もそうだったけれど
視点をどこにおくかでもまた印象は変わる。
恋愛に視点を置くのか、戦争責任に置くのか、
男女いずれの視点に置くのか・・・。

とはいえどうやって考えても、たどりつけない答えのような
気もします。
他人の心中はどんなに説明を受けても、本人ほどには
理解は難しい。
ましてやこの小説の中で主人公そのものが何度も逡巡するし、
相手のハンナは多くを語らないのだから。
私が共感するものがあるとすれば、前回と同様ハンナの言う、
自分は誰にも理解されないだろう。ならば誰にも弁明する必要も
弁明を求められる必要もない・・・という趣旨の言葉ですね。
彼女自身はずっと揺るぎがない。

前回読んだときも、翌日に改めて追記の文章を書くほどに
作品にひきずりこまえれ、考えることをやめられなかったけれども
今回もそれはやはり同じ。
もう読んでから1週間近くなるというのにあいかわらず
前にも後ろにも進めない・・・というか3歩進んで2歩下がる状態が
続いている。
そういうわけで戦後ドイツの教育についての本をいくつかの
本とともに併読を始めました。

2度目なので多くは書きませんが、やはりいい作品だと思います。
私にとっては最も好きな小説のひとつと言えます。



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