ほぼ1年ぶりの再読です。
やはりいいですね、とても。
出会いから結婚までを男女それぞれの立場から交互に描いてあります。
女性がものすごく大上段に構えているというか、いい女~という自意識が
最初は妙におかしいというか、かなり読んでいて気恥ずかしいのですが・・・
読む進むうちに、その明かされていく内面が実に良い。
詠美の小説はいつもそうだけど彼女の価値観が、登場人物の言葉を借りて
見事に美しく描かれていて、同じような感覚をもつ人間はとても魅了されると思う。
哀しいこととか感動的な事件が特別起こるわけではなく、ごく日常のことが
メインなのに、思わず涙という場面がしばしばある。
読後の余韻も良くて彼女のこの感受性にしばし、浸る。
昔の小説よりずっといい。
「僕は勉強ができない」「無銭優雅」と並ぶ、私の詠美ベスト3の
ひとつですが、その中でもこれはナンバー1かな~と思っています。
チューイングガム/角川書店

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もう1冊池田理代子短篇集を再読。
古いものから「オルフェウスの窓」の番外編と呼べそうなもの、
心理的にコワい作品などいろいろ。
なかでも「パラノイア」は怖い。でも昔、会社にそっくりな女の人がいた。
最初は真に受けて全て話を信じて、すごく幸せな人だと思っていたけれど
あとからほとんどが妄想とわかったときは怖かったな。
池田理代子短篇集 (1) (中公文庫―コミック版)/中央公論社

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