亡くなった初恋の少女の面影を忘れられず、彼女と同世代の女の子にしか
興味を持てなくなってしまった主人公ハンバートの獄中手記の形をとる小説です。
ロリータに出会うまで、そして出会ってからのハンバートの少女への想い、
憧憬、妄想、偏愛・・・それらが延々と一人語り(手記なので)で続きます。
過剰な自意識、うぬぼれ、並々ならぬ美意識と熱意を持って語る姿は、
純粋さを通り越して滑稽なほど。
ちょっと「ライ麦畑・・・」のあの少年に通じるものもあった。
あれをもっと知性のある大人が語っている感じだな。
とにかく半端ではない強烈さ。でも文章が大変に美しい。
あちこちにたくさんの言葉遊びがあり、正直私にはそれらを
理解しきれたとは思えない。
読み手にも知性を要求される作品で、私などまだまだ歯が立たない。
ロリータ (1980年) (新潮文庫)/ナボコフ

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