多分雑誌の連載だったのではないかと。
前書きなどから推察すると実際に河合先生がご専門の心理療法について
南さんに語られているようですが、純粋な対談ではないよう。
河合先生の講義について、南さんがあれこれ考えたことをまとめると
そこにまた河合先生の注釈が入る・・・といった感じで、主に
文面でのやり取りだったように感じました。
南さんは三角の顔?によろ~っとしたイラストを描く方程度の認識しかなく
南伸坊さんの本というものは読んだことがありませんでしたが
頭のいい、表現豊かな方という印象を受けました。
各章、交互に二人の書いたものが出てきますが、そこには
誰が語ったことかが書かれていません。
ものによっては河合先生!とすぐわかるのですが、
南さんの鋭い考察は、時々河合先生のものと区別がつかなくなりました。
面白いのは、南さんが河合さんを「眼光の鋭さを持った」と評していらしたこと。
過去3冊対談やそれに準じるものを読んできても、そういう表現をされた方は
いなかったし(単に機会がないだけか?)写真を見ても、気の良いおじさまと
いった風情だから。
迫力がある方という印象は興味深いな、と。
河合先生に、というよりも心理学というものに多少の胡散臭さを持っての
対談だったのかもしれないなと思いました。
一番面白かったのは第十講「物語がミソだった」でしょうか。
おお~っ!と目からうろこのお話がたくさん・・・南さんからも
河合先生からも語られている。
ここは何度も読んでしまった・・・村上春樹との対談のときのように。
というわけで、またあの本を読みたくなってしまったのでした。
考えてみると、私のブログ友さんの中には不平不満や、
過剰な脚色の文章を書き綴っている方はいないなあ。
それでもその人そのものは見えない部分を含めて伝わってくる。
本を読む人は本で、音楽が好きな方は音楽で、それが含む物語で
日々の何かを浄化しているのかもしれないな~なんて。
心理療法個人授業 (新潮文庫)/河合 隼雄

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これはやっぱり最高の1冊。
村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫)/河合 隼雄

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