
昼寝をしたときなど、よくあります。
時間が一瞬つかめずに、朝寝坊してしまったのか!?と青くなることも。
次第に、脳が覚醒してきて現状が把握できたときはほっとしますね。
電車の中などで、それがおきたことがないのが救いかも。
・・・と、突然「ここはどこ?」なんて状況になってしまったお話に
強引にもって行くのでした。
**************************************
古典的SFです。前から読みたいと思っていたけどなかなか手が回らず
ようやく読了できました。あ~!!もうめちゃくちゃ面白いです~。
あるタイム・トラヴェラー(名は名乗らない科学者)が友人たちを
家に招き、自分の発明したタイムマシンの模型を拾うし、実演してみせる。
驚きと疑いを持つ彼らに、実機があると語り、披露する。
そして彼はその後に実際にタイムマシンで実験を行う。
彼は紀元802701年の未来(!)に行って帰ってくる。
その見聞録を、友人たちに聞かせてくれるのですが・・・。
100年後とかそんな近未来じゃないんですよ。80万年以上も先なのです。
ちなみにこのお話が書かれたのが1890年代ですよ・・・いやはや。
でも前にも書いたけど、SFの世界では100年とか1000年なんて
全然遠いことじゃないんですね。だから、古びてない・・なんて評価は
たぶん不要なのです。
ほとんどのSF作品の描く未来は、決して明るくありませんがこれも同様。
科学をはじめとして、さまざまなものが確実に今よりも進歩しているで
あろうにもかかわらず。不思議なことですね。
人間は滅びに向かって努力しているわけではないはずなのに。
ここでタイム・トラヴェラーが見た未来の世界は、一見争いのない
秩序あるものに見えます。
が、争いも病気もないために、彼らは肉体的にも精神的にも退化し、
子供のような体格に知能・・・なんてことになっています。
囲われた牧場の中の家畜のような平和さなのですね。
で、実際地下に住む別の(もっとレベルの低い)人種たちにとっては
地上の彼らは食肉であったりするわけです。コワイです。
そう考えるとこの世の中の秩序を保つためには、多少の悪もまた
新陳代謝のために必要になるのでしょうか?うう~ん・・・。
病があるから、災害があるから、戦争があるから、地球温暖化だから・・・
それを避けるために人は努力し、進歩しているはずなのに。
なかなかSFも深いですが、救いがない・・・なんてことは
考えたくはないですねえ。
ほかに短編が6編。いずれも素敵な小品でした。
特に「くぐり戸」は、後の作家たちに明らかに影響ありという
印象の叙情的な小品。
向こう側に何があるかは語り手も本当は知っていたと思う。
美しい世界・・・でもそこに彼の生きる道はない。
「新神経促進剤」「奇跡を起こせた男」なども、思わずにんまりの
印象的な作品でした。
エレガントな翻訳がなかなか良かったです。
タイムマシン (角川文庫)/H.G. ウェルズ

¥500
Amazon.co.jp
9月19日追記
最初に映画化されたもの。普通にコミュニケーションしていますが、
原作での未来人は主語・述語のように2語程度でしか会話できる能力がなく、
この映画のように言葉でのコミュニケーションはほとんどとれずにいます。