「感謝知らずの男」   萩尾望都 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

これも萩尾先生のバレエ漫画ですが、バレエシーンはさほど多くありません。

バレエダンサーのレヴィは不眠症に悩んでいる。
静かな環境を求めて、新しいルームメイトと同居を始めるが
このルームメイトとその彼女の、親切の押し売りに悩まされ
ますます不眠症はひどくなるばかり・・・・。

今回はPFコミックスでよみましたが、ここには表題作を始め
「オオカミと3匹の子ブタ」「狂おしい月星」の3篇が収められています。

極端に描かれているとはいえ、レヴィを含め作品に出てくる人はどこかで
誰もが見たことがある人ばかり。時には自分そのものだったりするかも。

自意識過剰でやや自分勝手なレヴィ。
無償の親切というのはこの世にはないのか・・・という
自問自答する言葉がとても印象的でした。

レヴィは男性ですが、女性に置き換えたとしたら
このお話、よくある恋愛パターンそのもののように思えます。
行き違い、思い違い、タイミングや思いのズレが引き起こす
こんなハプニングや苦しみは、良くあることではないでしょうか?

作品が進むにつれ、レヴィが少しずつ成長していく様子を
読みとれるのが救い、というかうれしいですね。
やはり面倒でも大変でも、誰かとぶつかり、経験していくことは
重要なことなのですね。

関係ないけど、私はキャラ萌えというのは、子供のころはともかく
今は殆どありませんが・・・このレヴィはすんごく美しくて
しかもこの困ったちゃんぶりは、なかなか私好みなのでした~♪


$Maria maniatica

「ローマへの道」にて萩尾作品に初登場したレヴィです。
な~んてナルシスティックな絵なのでしょう。
あの「ローマへの道」の中ではかなり分別ある人のように思えたのですが・・・。


感謝知らずの男 (PFコミックス)/萩尾 望都

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