バレエダンサーのレヴィは不眠症に悩んでいる。
静かな環境を求めて、新しいルームメイトと同居を始めるが
このルームメイトとその彼女の、親切の押し売りに悩まされ
ますます不眠症はひどくなるばかり・・・・。
今回はPFコミックスでよみましたが、ここには表題作を始め
「オオカミと3匹の子ブタ」「狂おしい月星」の3篇が収められています。
極端に描かれているとはいえ、レヴィを含め作品に出てくる人はどこかで
誰もが見たことがある人ばかり。時には自分そのものだったりするかも。
自意識過剰でやや自分勝手なレヴィ。
無償の親切というのはこの世にはないのか・・・という
自問自答する言葉がとても印象的でした。
レヴィは男性ですが、女性に置き換えたとしたら
このお話、よくある恋愛パターンそのもののように思えます。
行き違い、思い違い、タイミングや思いのズレが引き起こす
こんなハプニングや苦しみは、良くあることではないでしょうか?
作品が進むにつれ、レヴィが少しずつ成長していく様子を
読みとれるのが救い、というかうれしいですね。
やはり面倒でも大変でも、誰かとぶつかり、経験していくことは
重要なことなのですね。
関係ないけど、私はキャラ萌えというのは、子供のころはともかく
今は殆どありませんが・・・このレヴィはすんごく美しくて
しかもこの困ったちゃんぶりは、なかなか私好みなのでした~♪

「ローマへの道」にて萩尾作品に初登場したレヴィです。
な~んてナルシスティックな絵なのでしょう。
あの「ローマへの道」の中ではかなり分別ある人のように思えたのですが・・・。
感謝知らずの男 (PFコミックス)/萩尾 望都

¥509
Amazon.co.jp