幼いころに父から聞かされたトロイアの戦争が、おとぎ話ではなく現実にあったに
違いないと考え、貧しさの中から身を立て、トロイアが実在していたことを
証明して見せた人です。
自伝とされているものの自伝部分は短く、あとは妻のソフィアや知人が彼が
書いたものを取り混ぜながら、伝記風に仕上げたものになっています。
一言でいえば、信念とロマンでしょうかね~。
小さなころから「トロイア」を信じて、それだけに向かってきた男性の人生は
やはり素敵ですよね。
WIKIPEDIAなどで、もう少し情報を得ようと調べてみると、あまり好意的な
書き方ではなかったけれども・・・自分の都合のいいように書きかえていると
いうようなことのよう・・・でも、信じること、努力すること、実行することを
してきたのは紛れもない事実だし、それによってシュリーマンが貶められる
必要などはないと思いました。
語学への取り組みは驚嘆すべきものがあり、身に付けた語学はおよそ18カ国だ
そうです。それも原文を理解し、ディスカッションもできるレベルに
わずかな時間でいずれも到達していたことは、なかなか興味深く、
その勉強法が書かれている部分は特に注目してしまいました。
マーフィーの法則や新月の願いのように、思い続けていれば必ず願いはかなう、と
いう考えを体現した人とも言えるけれども、むしろ、シュリーマンはそういう運命、
つまりトロイアを知り、トロイアを発掘するためことを全うするため、トロイアの
かつての住人たちから選ばれて生まれてきたのでは、と思えてしまいました。
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