いわさきちひろさんはアンデルセン童話に思い入れがかなりあったそうで、
挿絵をつけることも多く、それらの作品を集めた画集的要素が半分と
デンマークへアンデルセンを訪ねる旅の紀行文を残り半分として
収められた文庫です。
私が4,5歳頃に買ってもらった偕成社の児童向けの文学全集の中でも
ずいぶん多くのいわさきちひろさんの手によるものがありました。
今でも家に帰ると、このあたりの本は必ず読み返すのですが
幼き日のマリア画伯が、当時千尋作品をまねて描きこんだイラストの数々が
随所に残っていて、それについては苦笑するしかない状況・・・。
でもそれほど、このころの作品は私には印象深いものになっています。
ずいぶんあとになって書店で見かけたこの本には、それらの本で使われていた
挿絵がカラーで、しかもかなりの数、掲載されているじゃありませんか。
もう買うしかなかったのですね。
にんぎょひめ
マッチうりのしょうじょ
みにくいあひるのこ
はくちょうのおうじ
そらとぶトランク
・・・などなど、私が実家に置いている本の挿絵の多くが彼女のものでしたから
これらの作品のイメージは、もう彼女の絵しか浮かばない・・・。
ちょうどアリスやプーさんと聞くと多くの人がディズニーのあの絵を思い浮かべて
しまうのと同じようなもの。
いわさきちひろさん、改めて、好きだな~と思います。
いらいらした時などに見ると、本当に癒されます。
ついで・・と言っては何ですが、アンデルセンのお話って、救いようがないくらい
悲しいものが多いですよね。
上記の作品の中でハッピーエンドに近いのは「みにくいあひるのこ」ぐらい?
他に踊りが止まらなくなってとうとう足を切り落とす羽目になる「あかいくつ」とか
「すずのへいたい」とか・・・あれは本当に切ないですね。
とにかくあんまりだ~!!!というものが本当に多い・・・現状で得られなかった
幸せを、別の世界で手に入れる・・・みたいなね。悲しいです~。
文庫ギャラリー ちひろのアンデルセン (講談社文庫)/著者不明

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これは先の「万葉のうた」と同じシリーズです。
彼女の絶筆ということで、いくつかの絵が未完成のまま収められていますが
それがまた人魚の命のはかなさを描いているようで、感動的な作品になっていました。
少し前に人に譲ってしまいましたが、ちょっと惜しい気はしてます・・・。
赤い蝋燭と人魚 (若い人の絵本)/小川 未明

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いわさきちひろと言えば、この本と言えるくらい有名な作品ですね。
ちひろ没後の作品なので、挿絵はストックの中から選ばれたにすぎないのに
あのはまりよう…印象的な数々でしたね。
窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)/黒柳 徹子

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