「120% COOOL」 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

出先で待ち時間に読みました。山田詠美の9編からなる短編集です。

120% COOOL (綴りが間違っているわけじゃありません。念のため。)は、たとえば
すごくCOOLな人がいて、誰が見ても完璧COOLだとしたら、それは100%だけど
それではその人の等身大にすぎない。
だからそれよりも大きい120% COOLでありたいという、登場人物の願望を表した言葉です。
こういう感覚というか、表現の仕方が私はやはり好きなのですね。

帯にあったのは「あなたの恋を、誰もが考える恋に引き下げてはいけない」という
言葉でしたが、この「恋」の部分に他の単語を当てはめても通じるんじゃないかと。
それ以下に引き下げないための、プラス20%程度の濃厚さで・・・。
ひとつOが多いでCOOOLって文字が、COOLの意味合いとは裏腹に熱く濃くなってますね。

「彼女の等式」「NEWSPAPERS」がとてもよかった。
タイトルでは最初の「唇から蝶」がナンバー1かな~。

はしたない、はからずも、うつつをぬかす・・・なんて古式ゆかしい単語の数々が
漢字に横文字の読み仮名つけてダブル・ミーニングっぽくした小洒落た言葉と並ぶことで
生まれるギャップもまた美しいのです。

出てくる恋愛のそれぞれの様式は、AMY流で個性的だから好き好きだと思うし、
私好みの文章を抜粋したりはしないけど、本当に彼女のこの表現力には脱帽です。
こういう繊細で麗しい文章を書いてみたいものだと思います・・・こんなんじゃね(悲)。


120% coool (幻冬舎文庫)/山田 詠美

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他にこれも。久々のくらもち作品です。
最近の絵のタッチが嫌いでちょっと迷ったため、とりあえず1巻のみ。
面白かった・・・2巻探索中。

月のパルス 1 (クイーンズコミックス―コーラス)/くらもち ふさこ

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