スペイン 11 | MARIA MANIATICA

MARIA MANIATICA

ASI ES LA VIDA.

1988年 12月 (学校について)


この月はクリスマス前ということで3週間しか

授業がなかった。


クラスは前月から引き続いてのカイ・ルディ・

同じ年でNZ出身のジャッキー・そして

やはり同じ年の私の天敵・ヒロトシの5人でした。


スペイン語の過去形というのは、複雑で

心理的なものにかかわってきたり、

その状況によって使い分けなくては

なりません。


誰かが亡くなった・・・その人に今も想いを

残していれば、現在完了形。

単なる事実ならば、点過去・・・などなど

単純な過去形だけでも3種類。


このほかに、線過去・過去未来(条件法)

現在完了・過去完了・直前過去完了・未来完了・

過去未来完了・過去完了とか、もういろいろ。

そしてそれがまた直説法と接続法に分かれる、

という感じでかなり複雑なのです。


この時点では直説法の現在完了・点過去・

線過去の3種類のみでしたが、この使い方の

概念が全く理解できなかったのです。


ドイツとNZ出身の3人は、これをわりと

たやすく理解しており、横文字文化との

違いを痛感しました。

ヒロトシはそれほどできるとは思わなかったけど

私より半年も前から居て、1Bを数回繰り返して

おりついていけないということはなかった。


当時の手紙のコピーです。


『明日の宿題ですが、Ejercicio(練習問題)

5ページ!Composicion(作文)3つ!

 
誰かあての手紙
 自分の国の特徴
マリサの授業でのテーマ

(私の番なのに何も考えてない!)
④ 先生の書いた質問に答える(20問)
⑤ 自習


私はとうとう点過去・線過去が全くわからなく

なってしまった!
先日いきなりテストがありましたが、

私は全然できなかった。

皆がすでに終わっているという時に

私は半分もできてなかった。

テスト中、カイもルディも私のテストを

平気で見て「これは違う、なぜならこうだからね」

なんて教えてくれます。先生もとがめません。


彼らにとってはあくまでも現実のレベルを

知るためのテストで、私たち日本人が

ぎりぎりまでテキストを見て悪あがきする

ようなことは一切なく、とてもリラックス

しています。


日本の教育水準は高いと思いますが、

勉強するということの意味の捉え方が
全く違うのだなとちょっとショックを受けました。


点数さえよければいいという事ではないのですね。
なんとなく恥ずかしい気持ちになってしまった。

このテストの答え合わせで私が答えた時、

「よくできたけど、なぜ現在完了を使ったのか

説明できる?とても重要なことだから答えて」と

先生から言われてしまいました。


過去形には全く自信がなく、自分でもよくわからず

正直適当に入れてしまったのでしばらく答えが

出ませんでした。


思わずあがって赤面してしまったのですが、

ジャッキーが助け船を出そうと思ったのか口を

開きかけたとき、カイとルディが同時に

「今彼女が考えているんだから、黙って!」と

言ったのでした。


「わかりません」と答えようかと思っていたけど、

考えないことのほうが恥ずかしいとその時

思いました。


私が本当に長い時間かかってようやく単語を並べて

答えると先生より先に二人が「そう、そのとおり!

すごくよくできた」と言ってくれたのでした。
恥ずかしかったけど、とてもうれしくて思わず

鼻の奥が痛くなりました。(泣かなかったけど)


私がドイツびいきになっても仕方ないですよね。

あまり仲のよくないルディとカイだけど、

必要な時にはちゃんとふたり一致できるし、

そして私を助けてくれるのですから。


いい友達にこの1112月の2か月恵まれて

本当に良かったです。


でももう私はくたくたです。

宿題の量がすごいのです。

ほぼ1日で1課が平気で終わってしまい、
そしてその練習問題が毎回8ページ以上あります。
このところ私の苦手な過去形ばかりで
特に大変。
ただただボーゼンとしている私です。


一応やっていった宿題もミスが多く、順番に

答え合わせをしていくと、私にはいつもその

間違ったところがあたるというわけです。
というかほとんど間違っていると言ったほうが

早いです。


誰かがいつもとなりで私のあたりそうな 

問題のえを見て、間違っていると

鉛筆で正しい答えを、横からささっと書いて

くれるのでそれを見て答えているという

まったくもって情けない状態。え~ん。』

・・・という情けない有様。


夜遊びがたたって眠い、授業がわからない、

そして皆とももうお別れだ~なんてことを

考えてついつい気もそぞろになってました。


同じ単語を何度も質問してしまい、

「それ今日4回目」などと先生からいやみまで。


テストの結果は、APROBADO(可・本来は合格の意)

でした。一応5段階中4番目で、ぎりぎり合格

ではあるのですが、かぎりなく落第に近い。


そんなわけで、悔しいけど自業自得と

翌月はもう一度1Bをやり直すことにしました。



唯一ほめられていたのが作文でした(名誉挽回)。

「木々の葉もすっかり落ち、サラマンカももう

冬です・・・」なんて、日本ではおなじみの

よくありがちなフレーズを使っては皆から

「おお!詩人だ」なんていわれてました~♪



当時のテストがあった↓

69点中47点・・・。

今見返してみると、そもそも質問自体の意味が

全く理解できていなかったようです。やれやれ。



Maria maniatica