第十一章:水先案内人 | ドSなブログ

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基本アホなことしか書きませんな。真面目なことを書いた時は発熱してるはずです。

当時の闇金には、正直それほど女性客はいない。

時代はテレクラ、ツーショットダイヤル、伝言ダイヤルが全盛。女がその気になれば、股を開いて数万円を稼ぐなど造作もないことだ。今のマッチングアプリで売買春をする層と同じ、構造は変わらない。

その頃の俺は、闇金の手伝いという仕事に、いい加減飽きがきていた。何より金にならない。あれは貸す側に回らなければ意味がないのだ。

例えば50万の取り立てで「取り半」なら、25万。それならまだいい。だが、5万や10万の端金を追う労力は、リスクに対してあまりに報われない。ましてや俺は岩田さんのようにニコニコと立ち回るタイプではない。返せない男には容赦なく「オイコラ」と言いたくなるタチだ。リスクしかない。

でもいつだって、今だって女性には優しいよ。筋を通さず歯向かう子なら話は別だけどね。容赦しない。

飽きてきた頃、俺は片平さんに「沈める専門」にしてくれないかと直談判した。一人連れて行けば最低でも数万円〜10万円は固い。後で知ることになるが、業界未経験の「極上」を叩き込めば、とんでもない額が動く。

片平さんは即座に応じた。
「やってみなよ。軍資金も出す。失敗しても構わない。ケツ持ちも付けるし、万が一パクられたら弁護士を飛ばす。絵図を描いて一度持ってきな。会社みたいな企画書なんていらない。時間の無駄だし、証拠を残したくないからな」

そう言われても、何から手をつければいいのか。正直にそう漏らすと、片平さんは不敵に笑った。

「お前さん、面白い男になってきたな。今日、身体空いてる? 合わせたい奴がいる。連絡しとくから今から歌舞伎町の事務所に行ってきなよ」

指示されたのは、泣く子も黙る歌舞伎町の「ヤクザマンション」だ。



初めて足を踏み入れるその空間には、極道者ばかりでなく、一般の住人も混じって生活している。独特の歪(いびつ)な静寂が廊下を満たしていた。

指定された部屋の呼び鈴を鳴らす。
「おお、よう来たな。片平さんから聞いとるよ。有望株なんやて? まずええから入り」
現れたのは、明らかに関西人のおっちゃんだ。愛想が良く、いわゆる我々が思うところの関西ノリそのまま。だが、メガネ越しの瞳の奥は一筋縄ではいかない光を宿している。

部屋は驚くほど殺風景だった。仕事用のデスクと、ソファ、テーブル。生活感の一切を削ぎ落としたその空間は、冷徹な効率性だけを追求しているようだった。

ここから、俺の人生は決定的に狂い始める。この頃、まだ20世紀を数年残していた。

地獄のBGMのリフに関西弁の軽妙なラップが乗り、運命の歯車が高速で回転を始めた。魔界の水先案内人の名は阿久津。