自宅を出て近くの商業施設に移動し、そこから海外滞在中の明さんに電話をしました。

「もしもし、明さん、聞こえる?」

「聞こえるよ」

「今から真面目な話をするから聞いて」

「はい」

いつものように「うん」とは言わない明さん。
 
「あのね、私この前の旅行から帰ってきて色々と考えていたんだけど、今頃になって分かったことなんだけど、、」

「うん」

「明さんは私と明さんの関係を〝恋人関係〟と言っているけれど、私は〝彼女と彼〟の関係ではなくて〝母親と息子〟の関係だと思っているのね。私の過去の彼達と(明さんと)何が違うのかと考えたんだけど、私は引っ張ってくれるタイプの男性が好きで、夫もそうで、そこが違うのかなと。私はしっかりした男性に頼りたいタイプなの」

「そんな白馬の王子様のような頼り甲斐があって包容力があって、という男性はいるのかな?何でも完璧に揃っている男性はいないよ」

「うん。全てに完璧な男性などいないね」

「俺のことを好きなタイプの女性はいるよ」

「勿論明さんがタイプの女性は沢山居ると思うよ。でも私は素敵に思えてドキドキする相手と恋愛がしたい」

「俺、素敵に思われていないんだ」

「ごめんなさい。私は奥様のように明さんのことを温かく寛容な気持ちで包み込むことは出来ない」

 

 

 


その後お互いに思いの丈を伝えていくうちに、私と明さんの真の意味での共通点は何もないことが分かってきました。 

何もないどころか色々な価値観がことごとく真逆な二人なのです。

旅のスタイル(安価で行きたいのか高級路線で行きたいのか)に始まり、お金に対する考え方(ポイ活や節約に励む生活をするのか心のゆとりを持って生活したいのか)恋愛感(〝神田川〟の世界を良いものと思えるのかそれとも絶対に嫌だと思うのか)デートの仕方(安価なお店で十分と思えるのか時々で良いから高級店で食事を楽しみたいと思うのか)果ては政治に関することまで考え方が正反対なのです…

 

 

 


「俺は今までの恋愛で、彼女にすがってまで(自分のアイデンティティを変えてまで)彼女のことを離したくないと思ったことは無いね。ありのままの自分を受け入れてくれる女性と付き合ってきた〝去る者は追わず〟そして自分のことを好きになってくれる女性を受け入れてきた〝来るものは拒まず〟」

「そして容姿のストライクゾーンが広い」

「いや、俺は選んできたよ。語弊のある言い方をしないで。ただ美人で綺麗な人じゃなきゃ絶対に駄目という与田君よりも、俺の方が数を絞っているよ。美人で綺麗な人は世の中に沢山いるじゃない」

「一般的に男性は女性の容姿から入る人の方が多いの。私が今まで付き合ってきた男性は容姿を重要視する人ばかりだったよ」


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