気が付けば明さんとの会話が長引いて、ホテルを出発する時間が予定より少し遅れました。

私と明さんは再びバイクに乗り、先程訪れた岬の先端にあるサンセットスポットを目指しました。

外の日差しは大分柔らかくなっていて、明さんは少しスピードを上げながらバイクを走らせました。
 
暫く進むと対向車線を走るバイクを立て続けに見るようになりました。

「みんな今から何処に行くのかな?」

その後も私達の前方にバイクは現れず、対向車線のバイクが次々と走り去っていきます。

「もしかして、もうサンセットを見終わって帰っているのかな?」

「いや、まだ日没時間にはなっていないし空も明るいよ」

「明さん急いで。でも曇り空だから夕日は綺麗に見えないと思うけれど」

段々と薄暗くなっていく山道を明さんは慎重に運転しながら岬を目指しました。

 

 

 


岬の駐車場に到着すると、岬の先端の方向から続々とこちらに向かって観光客らしき人達が歩いて来るのでした。

私は明さんよりも一足先に早歩きで岬の先端にあるサンセットスポットに向かいました。

岩場に到着するとそこには殆ど人影もなく、一人の男性が周辺を歩き回っていました。

私は薄暗くなった岩場に立ち、厚い雲の切れ間から見える夕焼けを眺めていました。

暫くすると明さんがやって来ました。

「監視員が帰るように言っているからそろそろ帰ろう」

私は急いで夕暮れの画像を携帯に収めました。

数分の滞在時間で私と明さんは駐車場に戻りました。

 

 

 


駐車場の近くには見晴台があって、私と明さんは一番海側に面したベンチに座り、沈みゆく夕日を眺めながらお喋りをしていました。

途中で20代〜30代の女性二人が私達の側に来てお喋りを始めました。

明さんが席を譲るように促したので、私は明さんの側に移動すると、彼女達は英語でお礼を言いました。

その後も暫くお喋りを続けて帰ろうとしていた時、背後から片方の女性が明さんに声を掛けてきました。

最初に「picture」と言ってきたので、明さんは「写真を撮って欲しいのかな?」と思ったそうですが、その後の英語のやり取りで、彼女は「二人(私と明さん)の良い写真が撮れたから、連絡先を教えてもらえれば画像を送ります」と話したそうです。

明さんはメールアドレスを教えたとのことですが、その後(今現在まで)その画像は届いていません。

別れ際に彼女は私にも彼女が撮影した画像
を見せてきました。

それは夕暮れの中で私と明さんがベンチに座り仲睦まじくしているシルエットでした。

 

 

 

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