私と明さんですが、SかMかで言うと実は二人ともMなのです。
元彼はSだったので丁度良かったのですが、明さんがMだと知った時には少しがっかりしました。
でも確かにあの〝くだり〟から(1月22日過去記事〝再会その2〟)勘が良い人ならばその時点で察したと思いますが、私は分かりませんでしたし、明さんも遠慮して暫く言わなかったのでした。
「二人ともMだったらどちらかがS役をやらないと釣り合わないね、どうしよう」
「俺がSをやるよ」
「ううん、前に私が元彼に手錠を掛けられた話をした時に〝俺は掛けるより寧ろ掛けられた方が良い〟と話していたよね。だから私がS役、女王様になれれば本当は良いのだけどね。でも私にはハードルが高すぎてとても無理そうだけど」
「そうだね。やっぱり俺がS役をやるか」
明さんは笑って言いました。
「これから付き合いが長くなって新鮮味が無くなってきてマンネリ化するのは避けたいのだけど、例えば今後小道具を使ったりするのは明さんは抵抗ある?」
「俺は使わない。それを使っている時間が勿体無いもの。俺の舌では駄目?」
「いや、そっち系ではなくてそれこそ私が明さんに手錠を掛けるとか目隠しをするとか」
「うーん、どうかな。今のままで十分楽しいよ」
明さんはそう言ってくれましたが、本当のところは私が女性様になることを望んでいるし、私が次第にそのように変貌していく要素を持っていると確信しているのです。