その2では砲台左翼側を見に行きます。
観測所の階段前から左翼側に向かう道があります。
観測所の左斜め前辺りに用途不明のコンクリート柱が立っています。
第1砲座前方にあったコンクリート柱と同型です。鉄筋が入っていますね。
道が二手に分かれますが右手に行ってみます。
砲側庫の出入口付近に排水溝があります。
砲側庫北側出入口です。
左右には石材の壁が造られていますが、右翼側の砲側庫出入口はコンクリート施工でした。なぜ異なる造りなのでしょうね?
右翼側の砲側庫のコンクリート壁。
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砲側庫の中に入る前に第3砲座を確認しに行きます。
砲側庫北側出入口からなんとなく道筋が付いています。藪に埋もれて辿ることができませんが、迂回して行ってみると窪みがありました。コンクリート胸墻は確認できませんでしたが、位置的にココが第3砲座のあった場所だと思われます。
いちお中に入ってみましたが、イバラ多しで即撤退しました...。
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それでは砲側庫に入ります。
砲側庫③と下におりる階段があります。
階段をおりると砲側庫④がありますが、第4砲座が第3砲座より低い位置に置かれていますので砲側庫は2階構造で構築されたようです。なかなか珍しい構造ですね。
なお2階の砲側庫③が第3砲座用、1階の砲側庫④が第4砲座用だと思われます。
砲側庫③の内部から出入口を見ています。
右翼側と同様に弾丸置場の文字が書かれています。
それでは階段を下ります。らせん状になっていますね。
1階に下りて振り返って見ています。
階段下に収納スペース。
1階にも2階と同様に弾丸置場の文字が残ります。
砲側庫④の内部です。
それでは1階の出入口から退出します。
出ました。こちらも左右の壁は石積みですね。
壁下に貯水槽があります。
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それでは道を下って第4砲座に向かいます。
右カーブを取って石垣沿いを進むと...
穹窖砲台①が目の前に現れましたw(゜o゜)w
第4砲座を探しに来たのに穹窖砲台が現れましたので4年前の初訪問の時には驚きましたが、第4砲座は穹窖砲台手前の高い位置に残っています。
第4砲座にはコンクリート胸墻が残っていますが1/3ほど壊されています。どうやら穹窖砲台を造った時に破壊されたようです。
角度を変えると破壊された部分がよく分かります。
階段と破壊された胸墻、その奥に穹窖砲台。
対面のもう一つの階段も残っています。
砲座中央に残るコンクリートの瓦礫。火砲据付の砲床部分かな?
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以上で左翼側の紹介が終わりました。
穹窖砲台については次回レポートしますので、最後に観測所後方に置かれた発電機室を見に行きます。
発電機室です。水槽と建物基礎が残ります。
発電機の据付台座が2つあります。写真はその1つです。
発電機室のやや上方に大き目の水槽が置かれています。
以上、ここでその2を終わります。
その3では穹窖砲台をレポートします。
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[参考文献]
「現代本邦築城史」第二部 第十七巻 壱岐要塞築城史(国立国会図書館デジタルコレクション所蔵)
「日本築城史-近代の沿岸築城と要塞」(浄法寺朝美著、原書房)
「日本陸軍の火砲要塞砲」(佐山二郎著、光人社ノンフィクション文庫)
「壱岐要塞兵備資料」(防衛研究所)
「砲兵沿革史 第1巻 (制度)」(国立国会図書館デジタルコレクション所蔵)
「砲台建設要領書中一部改訂の件」(Ref No.C01005449700 アジア歴史史料センター)
「兵器調弁並改修の件」(Ref No.C01004235000 アジア歴史史料センター)
「国土地理院地図(電子国土web)」