鵜来島防備衛所は島の北部、標高116m周辺に置かれました。

 

場所はこの辺です。

 

防備衛所は昭和16年(1941年)12月の開戦時は工事中でしたが、昭和17年2月17日に完成して運用が開始されたようです。

敵潜水艦の哨戒を任務とする(乙)タイプの防備衛所として、九七式水中聴音機を7基有していました。

 

施設配置図を書きましたので掲載します。

図の上が西側、右が北側となります。

 

山頂の砲台から北に道なき道を下っていると、建物跡が現れました。

建物跡は2つ並んでいるようですが、『佐伯防備隊引渡目録』から察するに、「発電機室・燃料庫」としましたが定かではありません。

 

埋設された「海軍軍用地境界標石」を横目にさらに北に歩いて行きます。

 

デカい丸型の「貯水槽」が現れましたw(゜o゜)w

 

「貯水槽」の横に立坑があります。排水溝かな。

 

「貯水槽」から一段下がった所に「ポンプ施設」と思われる遺構があります。

 

 

この場所から下におりる階段があります。

 

下りてみました。見上げると長さが分かりますね。

 

下りた先の平坦地にあるのは「聴音所」(衛所)と思われる建物跡です。

建物が残っていないのは残念でした(-_-;)

 

3面に窓があったと思われる部屋の基礎部分です。

他の聴音所から察するに、この部屋は指揮室だったのでしょう。

 

きっとこんな感じだったはず。※画像はイメージですw (賢女鼻防備衛所より)

 

「聴音所」の前方に何か立っています。

何でしょう?国旗掲揚台(仮)としておきましょうかw

 

国旗掲揚台(仮)の前方は斜面で土留の石垣が組まれています。

 

「聴音所」左翼側斜面に掘られた窪地。

 

長くなりそうなのでここで前編終了。後編では兵舎などを見ていきます。

 

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[参考文献]

「佐伯防備隊戦時日誌」(Ref.C08030392800~C08030414000、アジア歴史資料センター)

「引渡目録 佐伯防備隊」(Ref.C08011403500、アジア歴史資料センター)

「国土地理院地図(電子国土web)」を加工して使用