◆砲台名:大君低砲台

◆起工:明治32年5月16日

◆竣工:明治33年6月30日

◆廃止:大正8年8月

◆備砲:12㎝加農砲4門

◆設置標高:14.6m

 

◆広島湾要塞の概略はこちら→→→

 

広島湾要塞では、広島湾・呉軍港への敵艦侵入を防ぐべく4つの水路を封鎖しましたが、その内の1つである早瀬瀬戸は江田島市の東能美島と呉市の倉橋島の間にある海峡で、ここの防御には3つの堡塁砲台が置かれました。

 

早瀬瀬戸に架かる早瀬大橋。

 

では大君低砲台の遺構を見ていきますが、事前の情報としてこの場所は私有地だと知りましたので、訪問した際には所有者の方に許可を頂いた上で入場させて頂きました。

 

簡単な略図を今回も書いてみました(・∀・)

12㎝加農砲が2門ずつ配備された2つの砲座、3つの地下砲側庫そして電力所。そう言えば観測所はなかったですね。それと砲台から離れた高い位置に、探照灯を備えた電燈所があります。

 

一番奥にある地下砲側庫。

3つの地下砲側庫のうち、ここだけ部屋が2つあります。

 

1つ目の砲座です。

 

砲座左手に階段があります。

 

 

先は行き止まり。右下地面に踏み台があります。小隊長位置ですね。

 

2つ目の砲側庫。部屋は一つです。

 

内部。

 

続いて2つ目の砲座。

 

胸墻の前面はコンクリ、側面は石積みですね。

 

ここにも左手に階段がありますが、小隊長位置ではなく隣の砲台に続いています。

 

3つ目の砲側庫から奥を見ています。

 

砲座群から少し下がった所に電力所があります。

 

内部。

 

壁にフック金具がいくつも残っています。

 

煙突があります。

 

建物後方にそびえ立っています。

 

以上、大君低砲台の遺構でした。

許可は頂いたもののあまりウロウロするのもはばかれましたので、駆け足での探索となりました(^^;)

なお、探照灯が設置された大君電燈所は次項にて。

 

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[参考資料]

「現代本邦築城史」第二部 第十九巻 広島湾要塞築城史(国立国会図書館デジタルコレクション所蔵)

「日本築城史-近代の沿岸築城と要塞」(浄法寺朝美著、原書房)