こんにちは。

mizukiですニコニコさくらんぼ



    

公立中学校 支援級在籍

軽度知的障害(IQ50〜69)

ケーくんと、

姉のネー子、パパとの静かな日常

を書いていますスター


ケーくんは、

中1の秋から不登校気味。

躁うつ症状に悩まされながらも

成長を見守っています。



桜桜桜



春が近づくと、

どこか落ち着かない気持ちになる、  



それは、

経験上わかっていることで…。




けれど…、

3月の始めのケーくんは

とても穏やかで、

落ち着いていて、



それまでがずっと

ハラハラした気持ちで過ごしていたから、


久しぶりの落ち着いた生活に


「このまま安定してくれたらいいな」


なんて期待していた。  





でもやっぱり




波は、来る。




  



思い返せば、

ケーくんの様子は


ゆっくりと少しずつ

変わっていた。  




ある時から、

認知が不安定になり、

「昨日」と「明日」が

混ざる。  



計算がうまくできず、

足し算と

引き算が

ごっちゃになる。  




そういえば、これは、

変化のサインだった。



頭の片隅でそう思いながらも、

期待してしまう。



すぐに落ち着く、って。




花




きっかけは、

デイのお友達との

「良い」関わりでした。


出かける時は

落ち着いていたのが、


帰宅した顔は、



ハイテンションでした。





ゲラゲラ

「久しぶりに遊んだ!めっちゃ楽しかった!」  




お相手は一つ先輩のヨウ君。  

去年までの彼が中学生だった頃は

とても優しくて、


いつも一緒にゲームをして、 

一緒にくだらない動画を見て、

ブロックをする、


ケーくんにとって同じ趣味を共有できる

貴重な男友達でした。


でも、

彼が高校生になってからは

常にイライラするようになり、

デイに来ても寝ていたり、

誘いを断られたりと

距離ができていました。

 

ケーくんは、とても寂しがっていました。

仕方のないことです。




それがこの日は、

春休みに入ったからか、


彼は昔のように優しくて、

以前のように遊べたらしいです。



ゲラゲラピリピリ

「久しぶりにヨウ君とゲームできたよー!」  



と、嬉しそうなケーくん。  

声がでかい。





でもヨウ君とのことは、

ただのきっかけでしかなくて、




何もなくても

躁に転じる時期だったと思います。



ケーくんのスパンは、


大体、2週間なんです。





花





ケーくんの軽躁は、

妙なテンションから始まります。  




陽気で機嫌がいいと思えば、

急に怒りっぽくなったり、  


攻撃的で感じ悪いと思ったら、

家族にベタベタ甘えます。



目覚めのことばは、



「ママ!やっつける!

……おはよう。布団入れて?」  



普段なら一緒に寝るなんて

「キモい!」と近寄ってこないのに、

 

妙に甘えてくる。  



そして、一日中おしゃべりが

止まらない。  



「ねえ!あのさ!◯◯が言ってたんだけどね!」  

「あれ見た?□□がバシャン!ってなって!」  

「オレはね!今ハンターだから!みんなを捕まえるぞー!」  



話の内容はコロコロ変わり、

頭に浮かんだ言葉を

そのまま口に出しているよう。  




それは途切れることがなくて、

外でも続きます。  



「ねえ!あの人アイス食べてる!いいなー!」  

「あ、今の車見たー?でね!

オレ、ハンターだからー!」  




一人称が変わるのも、

軽躁のサイン。  



「ぼく」から「オレ」に。


  





この状態に慣れるまでは、

家族もみんな混乱する。  


話が通じないから、

イライラしてしまうのです。  




特にパパ、未だに慣れません。  



くま(パパ)

「ゲームをやめなさい!食事の時間だ!」 

 


そんなに強く言うと、

この時期のケーくんは

反発するよ。  



ムキーッ

「うるっせーな、今やってんの!

あーもう!パパのせいで負けたー!!」  




ほら、ごらん。

ケーくんはヒートアップし、

パパも感情的になり、悪循環に。  





一方で、

ネー子は違う。  



ニコニコ

「ねーケータ、一緒にゲームしようよ!」

  「……でもさ、コントローラー奪ったら終わるよ?」  




ぶー

「わかったよー、取らないからー!」  



……と言いつつ、

イラッとするとやっぱり  

衝動的に手が出て奪う。



ムキーッ

「はい、ネー子負けた!カス!!」  



ネー子は淡々と対応する。  



キョロキョロパー

「あーあ。じゃあケータどうぞ。」  

「ネー子はもう行くねー。」  



アセアセ

「えー!」  



「また今度ね。落ち着いたらやろう。」  



このクールな対応は、

私にはまだできません。  




私はどうしても、

期待が入ってしまうのです。

パパと同じかな…。  




おーっ!

「ユーチューブ見るー!!」


ニコニコ

「宿題やってからね」  


おーっ!

「どこにある?」  


キョロキョロ

「いつものところ、見た?」  


おーっ!

「見てなーい!ない!ない!」  



えーダッシュ

(今日はダメだな……)  



ようやく宿題を始めたと思えば、

答えが全部おかしい。  



足し算のところで引いていたり、  

かけ算のところで割っていたり。  



「これは、もう一度かぞえてみて?

ほら、6個じゃないでしょう?5個だよ!」  



つい、口調が強くなる。



こんな時のケーくんは、

思考がバラバラなのです。  



積み上げた知識が、まるで

シャッフルされたみたいに。  


  



私は、学校に

「基礎学習の積み上げを大事にしてほしい」

と小中の支援級6年間、

一貫して依頼をしていました。



なぜなら、

算数や漢字は

正解が決まっているから

「できた!」が

何よりも実感しやすい。  

それが、

自信につながると思ったからです。



でも、こうも波が激しいと、

なかなか難しいところ。  


お互いにイライラして

実にならないのなら、

脳を休ませたほうがいいのかもしれません。




こういう時は

量をいつもの半分に、

または1/10程度にします。


  


「軽躁の時は刺激をしない」  



これは鉄則。

わかっている。  



こちらが穏やかで

ニコニコしていると

酷くならずに

この時期を乗り越えられるのも


よくよく分かっている。





でも、

穏やかな日々に慣れたあとに

また不安定になると、



やっぱり、

気持ちを切り替えるのに

毎回、難しさを感じます。  



  


花




例年、3月〜5月は、

特に不安定になりやすい。  


だから、私は

この時期はできるだけ

ケーくんの側にいます。  



いずれ、梅雨に入れば落ち着くはず。  




だからこそ、今は慎重に。  


感情に振り回されず、淡々と。 



家族の生活が

快適に回るように動くだけ。

ルーティンを崩さずに、

いつものことを、量を調整しながら

やるだけ。



  

私の役目は、

うまくいくように

「支えること。」  


 


そうやって、

この春も乗り切ろうと思います。  









花が咲くとウキウキ桜

のんびりいこうお団子にっこり






ふとん1 ふとん2 ふとん3