下咽頭がん、手術終了 | 日本語あれこれ研究室

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 このまえ書いたとおり、先週に入院・手術があって無事に退院した。

 下咽頭がん。人生2度目の全身麻酔。2日間の集中治療室。

 

 病室は事前に一般の4人部屋を希望したのに、いざ入院の時に、4人部屋は空きがないと言われ取り敢えず個室ということになった。1泊1万5千円くらい余計にかかるそうなので勘弁してほしいと言ったら、差額分は無料になった。

 実は、前回と前々回のときにも最初は一般の4人部屋が取れず、差額ありの4人部屋になったのだった。もしや思うに昨今の日本の経済的凋落で、高い部屋に泊まれる人があまりいなくなったので個室には空きがあり、逆に4人部屋は満室だったりするのかな?

 

 手術は予定どおりに行われ、2時間くらいだったらしい。しかし目が覚めたのは20時間くらい経ってからだった。そこは集中治療室で、頭がはっきりするまでの間に幻覚を見た。妻がおれのベッドの近くで誰かと年賀状に関しての話をしている。あまりにリアルだったので後で妻に確かめたがあっさりと否定された。それでも現実でないとは信じられなかった。

 

 以前書いたが、2017年の入院の際に、集中治療室に困った患者がいたことを思い出す。ひと晩中、「おい医者!」とか「出せー」とか「はあ、はあ」とか大声を出す(たぶん)中年男だった。

 

 同じような男が何と今回もいた。消え入りそうな声で「せんせい……。せんせい」と、か細い声をだしながら運ばれて来たので、今にも死にそうな老人患者かと初めは思った。

 しかし、やがて「やだ~」とか「苦しい~」だの大声を出し始める。「せんせい」「やだ」「苦しい」を交互に、裏声を混ぜて色々にイントネーションやアクセントを変えながら、ずうっと声を上げているのであった。

 とても気の利くナースが、おれの荷物の中から耳栓を持ってきてくれた。

 

 麻酔から目覚めた後は、口の中、ベロの裏にとても痛い箇所があって参った。たぶん喉頭鏡でこすられて傷ついたのだろう、ベロの先で触るとズキッと来る。

 次の日に病室に戻り、若い女性の看護師に尿道カテーテルを抜いてもらった。嬉しいとか恥かしいとかの感想は特になし。

 金曜日にやっと食事(といってもムース食)ができるようになったと思った翌日に突然の退院だった。

 

 入院費は以前は退院時に支払っていたが、コロナ禍以降は後日の振込。

 おれは1人会社をやっているので、自分の役員報酬は自分で決めている。実は一昨年頃に税理士からの入れ知恵アドバイスによって役員報酬を減額したら、高額療養費制度の自己負担限度額が〇万〇千円減った。

 日本の保険制度はちゃんと機能しているし実にありがたい(あくまでも今のところ、ではあるが)。