指が連続で鳴るんですけど | 日本語あれこれ研究室

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 この夏「チコちゃんに叱られる!」で、「指がポキポキ鳴るのは何の音なのか」というテーマがあった。

 チコちゃんの答えは、「指ポキポキは泡がはじける音」。つまり、関節の滑液の中の気泡が割れる音だという説明だった。

 番組中では言っていなかったが、「キャビテーション気泡の崩壊」という現象らしい。

 

 以前、朝日新聞の健康コーナーに主婦からの相談があった。「私は時々背骨がボキッと鳴るのだが、大丈夫だろうか」みたいな質問で、どこかの医者の回答が次のようなものだった。

「指をポキポキ鳴らす人は見かけるが、背骨が鳴るというのは聞いたことがない。なるべく鳴らさない方がいいでしょう」云々。

 えーっ、専門の医者なのに指以外の骨が鳴ることを知らないの? え、しかも鳴らさない方がいいの?

 

 実はおれは十代の頃から、あちこちの骨が小気味イイほど鳴る体質だった。上から紹介すると、まず首。倒したりねじったりして鳴らす。それから肩、肘、手首ときて、手の指はもちろん十本とも、折ったり引っ張ったりする。

 背骨は反らしたり捻ったりで何か所かで音がする。あと、特に気持ちのいい股関節。それに膝、足首ときて、足の親指のうんと根元の土踏まずの辺り。そして足の指も、手と同じように十本とも鳴らす。

 

 さっきの医者は鳴らさない方がいいとのことだけど、あいにくおれは長年に亘ってさんざん鳴らしてきた。身体への不都合は特に何もない

ところで、全身がうまいことボキボキゆーてたのは三十代くらいまでだったろうか。気が付くといつしか、めっきりと沈黙してしまっていた。今でも確実に鳴らせるのは手足の指くらいだ。たまぁに股関節のキャビテーション気泡がうまく崩壊した時はラッキー!と思う。

                                                   

ところでおれの手の指だが、両手とも人差指と中指だけは、何度でも続けて鳴らすことができる。指を折って握ると第二関節がポキッという。人差指か中指か単独でもいいし、二本同時のユニゾンでも可能。連続十回でも二十回でもOKだ。

滑液にこんなに続けざまに気泡が次々発生するとはちょっと思えないので、チコちゃんの説明には間違いがあるのではないか、と実は疑っている。