Count Basie And His Orchestra | 風景の音楽

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“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和6年3月26日(火)
Count Basie And His Orchestra Featuring Lester Young(★★★★★)
ノスタルジ度(★★★★★)
ジャンル:Bigband


Side 1 
1.I Ain't Got Nobody
2.Goin' To Chicago Blues
3.Live And Love Tonight
4.Love Me Or Leave Me
5.Taxi War Dance
6.Miss Thing
7.Lonesome Miss Pretty
8.Song Of The Islands
9.I Left My Baby

Side 2
1.Riff Interlude
2.Ham N Eggs
3.Hollywood Jump
4.Let's Make Hey While The Moon Shines
5.Let Me See
6.Blow Top
7.The World Is Mad Parts 1 & 2
8.What's Your Number?
9.Five O'Clock Whistle

Count Basie(p), Lester Young(ts)

Recorded 1939~1940
Released by ROULETTE YS-2800-RO(mono) / CBSソニー株式会社20AP-1828(mono)

昨日の日の入りは18時12分だった。
今朝の日の出は5時52分だ。
今朝もまた雨降りだ。
昼には止むようだが雨降りはカナワン。

カウント・ベイシイの39年から40年にかけての録音。
オリジナルはルーレット、これはソニーの80年復刻盤。
国内盤だけの描画ジャケットがまことに素晴らしい。
これでもっとコントラストを明るくしてくれたらなおよかった。

ベイシイ楽団にレスタ・ヤングが在団した黄金期の演奏を集めている。
アタシはレスタもホウキンスも深いビブラートを掛けるのが気に入らないが
二人とも才気溢れるテナーマンである。
レスタはこの時分が一番魅力的だ。

気合い充分で、フレージングと言いアイデアと言い、まことに充実している。
こういうテナーマンがいたらベイシイもさぞ機嫌良くピアノが弾けたことだろう。
ロリンズやジャケエが豪快に吹くのとはちがって軽やかにしなやかなテナーだ。
どっちが好きかと比較や区別はできぬ。

ジャケエのイカレポンチ・テナーも大好きだし、
レスタの風のように軽やかな演奏も大好きだ。
レスタは40年を過ぎると軽やかな表情を失い、精彩を欠いてしまった。
この39~40年というのは正にレスタの絶頂だとおもう。

ベイシイは逆にどんどん切れ味を鋭くしていき、
留まるところを知らぬピアニズムを繰り広げる。
だが、アタシは40年代ベイシイののどかなスイング感と
朗らかな雰囲気がいちばんいいとおもう。

60年代になってトレーンが苦悩に満ちた表現をするようになり、
Jazz喫茶で若者が眉根にしわ寄せ煙草を燻らしながらカッコを付けていたのは
今から考えると噴飯ものでまことに恥ずかしい。
でも、若者だからそれでいいのだ。

植草甚一が眉根に皺寄せてスピーカに対峙していたら
それはいかん。
太田和彦が日本酒をツイ-と飲りながら眉根に皺寄せて
クリスティを聴いていたらそれもイケマセン。

吉田類が眉根に皺寄せて“Bad Bad Whiskey”を歌っていたら
もっといけません。
若者は何をやっても仕方がないが
ジジイはいつも静かに微笑んでいるのがオトナのタシナミというものでありやす。