Misty/中村 八大 | 風景の音楽

風景の音楽

“のすたるジジイ”が30~50年代を中心にいいかげんなタワゴトを書いております。ノスタルジ万歳、好き勝手道を邁進します。


令和2年8月5日(水)
Misty/中村 八大(★★★☆☆)


Side 1 
1.Misty    
2.I Left My Heart In San Francisco    
3.Love Letter    
4.Mona Risa    
5.Lullaby Of Birdland    
6.Blue Moon    
7.Girl From Ipanema

Side 2
1.Stardust    
2.Satin Doll    
3.My Funny Valentine    
4.The Shadow Of Your Smile    
5.The Entertainer    
6.Fly Me To The Moon    
7.The Days Of Wine And Roses    

中村 八大(p), 稲葉 国光(b), ジミイ 竹内(ds)

Recorded 1978 at Toshiba EMI Studio, Tokyo. 
Released by 東芝EMI株式会社 ‎–  TP-60301


中村八大の78年録音。
東芝EMIの発売である。
“Love Touch Piano”という12枚の邦人ピアニストのシリーズである。
シリーズ名が気持ち悪いが仕方がない。

ジャケットも小っ恥ずかしい。
とてもレジに持って行けないシリーズである。
このシリーズは三保敬太郎のアルバムを持っている。
演奏は佳いのにジャケットは信じられないハズカシサ。

“Misty”から始まるピアノは硬質な録音だ。
三保のアルバムも硬い音だった。
どうも東芝らしくない録音である。
寝ぼけた音でないのはよしとして、それでもギスギス感がある。

中村八大はピアニストとしてはなかなか面白い。
テクニックは確かで構成も冴えている。
惜しむらくは和音使いが単調なことである。
Classic出身のピアニスト特有の和声使いだ。

洒落たつもりなのだろうが
それがまたピントがずれているのが可笑しい。
アタシが若い頃はTVの音楽番組に永六輔らと出演していた。
リズムは軽やかなのにビート感がないのはいかにも日本人のJazzだ。

JazzというよりもPopularだね、こりゃ。
イージー・リスニングにしてはかっちりと決めてくるのが可笑しいね。
いや、盛夏の朝に聴くと鮮烈な音に寝ぼけ頭が冴えてくるからケッサク。
なんとも不思議なアルバムであります。