令和元年11月14日(木)
Ancient Africa/Dollar Brand(★★★★☆)
Side 1 Medley 23:05
1.Bra Joe From Kilimanjaro
2.Mamma
3.Tokai
4.Llanga
5.Cherry
6.African Sun
Side 2 Medley 21:55
1.African Sun (Continued)
2.Tintinyana
3.Xaba
4.Peace - Salaam
5.Air
Dollar Brand(p, fl)
Recorded Jun. 1972 live at Jazz-Hus Montmartre, Copenhagen.
Released by Japo Records – JAPO 60005 / トリオ株式会社 PA-7094
夜来の雨も止み、青空が爽やかだ。
東北地方は天候が荒れるようだが、
京都は好日になるようだ。
今日は午後から関西医大で検査があるので晴れて良かった。
ダラー・ブランドの72年録音。
オリジナルはジャポ、これはトリオの74年発売の国内盤。
コペンハーゲンのカフェ・モンマルトルでのライブ録音だ。
アタシ達はこのジャケット・デザインを般若盤と呼んでいたのをおもいだした。
60年代末頃には“アフリカ回帰”の動きが注目を集めていたが
サン・ラやAEOCのアルバムに惹かれていたアタシは
“アフリカ”の地にも血にも距離感があったものだ。
アフリカを知らぬアタシにはダラー・ブランドの情感が理解出来ていなかった。
ダラーは29歳までケープタウンで暮らしていた。
米国で生まれ育った黒人達とはずいぶんと違う生い立ちである。
“African Piano”は本作のおよそ3年前のアルバムだったが
イスラムに改宗して名前を“アブドゥーラ・イブラヒム”に換えた時分である。
“African Piano”は衝撃的なアルバムだった。
シンプルなリフの中に泥臭い土俗的な得体の知れぬものが
見え隠れするアルバムだった。
アタシの中の違和感はピアノという洋楽器とアフリカ性との融合からくるものだった。
このアルバムは曲を分けずにメドレエで連続演奏している。
ゴスペル風のピアノが奏でる旋律はケープタウンでの背景があるのだろう。
南アフリカの文化は白人がもたらしたものだが、
アタシは南アフリカの歴史を知らぬ。
このアルバムから溢れ出すダラーのストレートな演奏に
アタシはアフリカ性と白人文化の融合の違和感から未だに抜け出せぬ。
西洋の平均律楽器であるピアノとアフリカ性とは相容れぬ。
などとおもいつつ、四十数年前に抱いた“違和感”はそのままに蘇った。